将棋電脳戦AWAKE21手投了問題から学ぶ、ルール改正のとっかかり

「将棋電脳戦AWAKE21手投了問題」を、まず学びます

将棋を知ってる人には割と重大な問題提起が、2015.4.11に起きました。
電王戦という大会があります。人間対CPU、真に将棋に強いのはどちらかを問う最近から行われ始めた将棋の団体戦です。同年3月に行われた「将棋電脳戦FINAL」は5対5における3戦先取団体戦であり、互いに2勝2敗と大将戦までもつれこみ、大将戦「阿久津主税八段(以下、単に阿久津八段)vs将棋ソフトAWAKE(以下、開発者名の「巨瀬氏」もしくはソフト名「AWAKE」)」において、阿久津八段がわずか21手目を指したところで、巨瀬氏が投了をしたというものです。もちろん将棋は一人が10手指したところでチェックメイトになるゲームではありませんし、最序盤だけで負けが確定するはずは普通はないです。ではなぜ投了したのか?となると、「この21手までが、コンピューター思考のアルゴリズム上重大なハメ手であり、ここまで進められると、ハメた側がほぼ勝ち確定となる」からです。そして、そのハメ手を両者ともに認識していました。そして阿久津八段が、的確にその手まで誘導をし、落とし込んだのです。

議論の余地がありました

この勝ち方に、多少なりともの「しこり」が残るのは事実です。阿久津八段は真に将棋を指したのか? コンピューターをシステム的にぶん殴ってTKOを取ったのではないかという考え方がくすぶるのもわからないではないです。しかし、

「アマチュアの方が指して既に知っているハメ形になって。それをプロが指してしまうというのは、(阿久津八段は)プロの存在を脅かすようなプロ棋士なんじゃないか」
(電王戦後記者会見 巨瀬氏より)

「2勝2敗で、結果もやっぱり、求められているということもあったので。やっぱり、1番勝算が高い形をとるべきかなと」
(阿久津八段 コメント)

と、そもそもの価値観が違うわけです。「プロの将棋棋士が場外乱闘で将棋ソフトを負かすわけがない」という思い違いがあったと言えるでしょう。
こうなると、次回以降の電王戦開催(ちなみに、今回「FINAL」ですが、それは団体戦としてはFINALなだけで、電王戦自体は継続するらしいです)においてはレギュレーション及び将棋ソフトの思考パターン改善が求められるでしょう。現在の将棋ソフトは、

この「ねずみとり」にひっかかったのは、いわゆる水平線効果、つまり、数手先までは広く読むが、ある手数を超えた先の手は考慮しないというコンピュータの読みのアルゴリズムが影響していると思われます。

とのことであり、言い換えれば「最寄りの数手を読むことに莫大なリソースを割くが、それ以降についての読みはしない」というやり方になっているわけです。それで負けるのなら、今後はリソースの割き方を広くせざるを得ないのでしょう。それで直近数手の精度が下がるのであれば、それが現在の将棋ソフトの限界となり、それを高めていくのが人智なのではないかと思います。

ここからが遊戯王のお話

だからこそ、狭く深くに特化しすぎて再序盤で投了するってのはスポンサーがいる中の興行としては絶対おかしかったと思います。ぶざまでも、ぼろぼろに負ける姿を、普通に詰まされるまで、見せなければいけなかったと思います。
ピンとこない方に、我らが遊戯王っぽく伝えるとするなら、「大会の決勝にて、たった1つしか用意していない1ターンキル手段をカウンターされ、にっちもさっちもいかなくなったから、憮然としてサレンダーする」ということです。スマートではない、と思いませんか?
詳細は省略しますが、今回の電王戦においてはもう一局CPUのバグを突いた勝利がありまして、都度「人間vsCPU」であることを思い知らされた勝負でした。こうでもないとレギュレーション及びソフトの評価関数が見直される機会はないと思います。
趣旨にずれがあるのは承知していますが、遊戯王にも場外乱闘が物議をかもした時期がありました。丁度《ヴィクトリー・ドラゴン》を使ったデッキが隆盛を誇った際に、ロック状態からのマッチキルを防ぐために、デッキを崩す等の「違反行為」をうっかり行ってしまうことによりゲームロスにするといった場外解決手法があったことが。結局その問題は《ヴィクトリー・ドラゴン》の禁止化でうやむやになったところがありますが、現在いわゆるモラル的な両天秤を求められる問題は「ルールマスター」制度によって良識ある判断をお墨付きで下す形で都度解決をさせている現状です。
おそらく、過去にこういう「場外乱闘」が起こってなければ、大本営もユーザーもこういった問題が発生することにぴんとこず、その整備は遅れていたでしょう。すごく当たり前のことですが、問題を解決するには問題が起きなければならないのです。いっそのこと問題が起きなければ平和じゃないか?じゃないのです、その場合、問題は起きてないのではなく、言い出せてないだけで、いずれ地表に出た時取り返しがつかなくなっているはずなんです。

ニュースを見ての意見で、いつも以上にまとまりがなくてごめんなさい。
私自身、問題・文句が出ることは健全なことだと思います。将棋ソフト開発者も、コナミも、そんなこんなでぎゃーぎゃー言ってる外野をねじ伏せてくれたらいいと思います。割と外野って、真っ当にねじ伏せられると、意外とちょろく従順になるものと思いますよ?

参考資料

http://shogi1.com/denousenfinal5-awake-28kaku/ (将棋ワンストップ・ニュース 「電王戦FINAL、AWAKE開発者・巨瀬亮一さん「ハメ手を使うプロ棋士の存在意義」を問う」)
http://shogi1.com/denousen-final5-akutsuchikara/ (将棋ワンストップ・ニュース 「将棋電王戦FINAL第5局、阿久津主税八段は△2八角に「貸し出し後、数局で気づいた。素直に嬉しい感じではない」」
http://shogi1.com/awake-100manyen-winner/ (将棋ワンストップ・ニュース 「電王AWAKEに勝利し100万円ゲットした山口直哉さんの必勝法。△2八角を打たせる」)

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