オリカ☆めいきんぐ(2007年)入賞作品

9月/テーマ:フリー

最優秀賞 選定棄権

 残念ながら今月は頭一つ飛びぬけた優秀作品を選べませんでした。斬新さとか、バランスとか……どこか一点で私達を唸らせる作品はたびたび見かけたのですが、すべからくそれが違う所で練りこみが甘かったり(例:斬新さに長けたカードであると、バランスが壊れていたり名前のセンスに問題があったり等)して、とにかく「惜しい」一ヶ月でした。その分今月は特例として優秀賞を3枚にしております。いわゆる繰り下げ処置です。最後まで「この3枚の中から一つ上にするか?」な議論が積み重ねられたのですが、そこに至りませんでした。

優秀賞

0709_2_ghost《戦場の守護霊》 地属性/戦士族 ☆6 2200/0
効果:このカードが墓地の一番上に存在している限り、フィールド上に存在する全ての自分モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
【tennさん(初受賞)】
 能力自体、一見では「強すぎるか?」感が漂うが、よくよく思案してみればかなり自分の動きの自由度を拘束するので適度なバランスと判断された。上級単体としては物足りないステータス、墓地に行ってからも自分から能動的に動けないし、適当にモンスター除去されるだけでその効果を失う。工夫を凝らさなければ常時の使用は不可能であり、構築意欲をそそる良いモンスターだ。
【ill. 薫さん】打って変わって妖艶な女性型カード。しかし、 この1枚にはすごく色々な発想が詰め込まれているので、まず薫さんの見解をご紹介。『最終的なイメージとしては守護霊のお守りの中の人という設定で、外見はOCG大会の賞品である 《Tyr, the Vanquishing Warlord》をイメージし、豪華な戦士にしました。ただ、描き終わってから《Tyr, the Vanquishing Warlord》は天使族だったと知り絶望しましたが……』
 ここでまさかの海外版! 資料も少ないところを調べこんで形にするスピリットには唸らざるを得ません。 薫さんの女性型オリカには定評があるので、いやー、ご馳走様です(?)

《魔界の植物》 闇属性/植物族 ☆4 2500/500
効果:このカードを生け贄に捧げることでデッキから「魔界の植物」をフィールド上に特殊召喚する。その後デッキをシャッフルする。フィールド上の表側表示で存在する「魔界の植物」1体につき、このカードの攻撃力は800ポイントダウンする。
【tubakiさん(初受賞)】
 今回の作品の中で一番最優秀に近かった作品がこれ。実質ステータスが1700ながら、手軽に行えるデッキ圧縮。植物という特性・イメージを活かした効果が上手くマッチングしていて非常に高評価を獲得した。
 残念だったのが、あくまでも審査員ら観点としてはダウンの数字を700にして欲しかった、ということ。数字としての1700と1800はモンスターの質の点でかなり大きな差であり、「使わせたい」という魅力をアピールしてくるなら是非ともこの数字に収めて欲しかった。しかし、これは審査員との価値観がかみ合わなかったという『事故』。この感性をこれからも大事にしていただきたい。

0709_2_onenight《一夜の千年樹》 光属性/植物族 ☆3 0/0
リバース:このカードの攻撃力は3000になる。
【chiffonさん(初受賞)】
 今回のこれについてもタイミング勝ち、名前勝ちではあるなあと思った。同様のギミックは過去の落選作で確かに数個見かけていた。しかし、それらは正直なところ不運にも見舞われていた。名前の出来が悪かったり、悪用される属性・種族に設定していたり、一番切ないものとして「激戦の月」に放り込まれたり。
 今回のこれは、その部分を見事に潜り抜けた。周辺設定をハイセンスに練りこんでくれた手堅い仕事、そして……投稿した月としてもやりやすかった。効果自体は「上手い」ものであるため、ようやく見舞われたといったところだろうか。
【ill. 五十嵐さん】かなりステキにモンスターしてる一枚を描いて頂きました。五十嵐さんはこれに擬人化女の子テイストを絡めようとしたとのことですが、 どうしてもそっちが目立っちゃうからということで辞めたそうです。見てーなー(笑)
 千年、であるので原作よろしくなミレニアムアイテム的発想の絵が描ける、これは私にとっては結構灯台下暗しでした。

佳作

0709_3_rep《対向斥力》 (装備魔法)
効果:装備モンスターの正面に存在するモンスターを持ち主の手札に戻す。
このカードがフィールド上に存在する限り、装備モンスターの正面にモンスターを通常召喚・特殊召喚できない。
【シオウさん(初受賞)】
 斥力(せきりょく)とはばちこーん!と物を反発させる力。バウンスという効果分類を「斥力」と表現したのは上手いなあと感心した。効果自体は装備魔法らしからぬがそれもまた魅力。装備魔法は壊されやすいがゆえに繊細なバランスが要求されるが、安易にステータス増減に走らず除去方面を目指し、適度なバランスを確立した。テキストもゾーンいじり系として穴が無く、わかりやすく出来ている職人の味だ。
【ill. 五十嵐さん】実はこれは、正式にお頼みして描かれたイラストではありません。 五十嵐さんがぼらんてぃあーにお絵描き掲示板(編集注:過去設置していました)に描いてくれたものなんです。なんたる愛されぶりだ。
 妙にコメントにつけた ばちこーん を気に入ってくださったらしく、イラストでも存分にばちこーんしてるのですが、 やっぱりどう見てもボンボンアッパーです。

《多次元の報復射撃》 (通常魔法)
効果:自分の墓地に存在するカードの種類×200ポイントのダメージを相手プレイヤーに与える。 (カードの種類とは、通常モンスター、効果モンスター、融合モンスター、儀式モンスター、通常魔法、速攻魔法、永続魔法、装備魔法、儀式魔法、フィールド 魔法、通常罠、永続罠、カウンター罠、の13種類である)
【メコンさん(初受賞)】
 最大2600ダメージを入れられながら、そうは上手くいかないバーンカード。墓地のカードを使ってどうこうするカードはなんとでも墓地がいじりようがあるため結構バランスに苦心しそうだが、その限界が2600。強くも無く、使えないわけでもない。これ以上無い数字なんじゃないだろうか。性質上、そう上手く有効活用はできないだろうが1000くらいならそう遠い数字ではない。斬新なカードだ。

0709_3_seiren《潔白セイレーン》 水属性/水族 ☆7 0/0
効果:自分の墓地に存在する水属性モンスターを4体除外することでのみ手札からこのカードを特殊召喚できる。このカードが表側表示で自分フィールド上に存在する限り、このカードのコントローラーは相手に手札を公開し続けなければいけない。このカードの攻撃力は、自分の手札の枚数×800ポイントアップする。
【名無しAさん(2か月ぶり2回目の入賞 06.11 07.09)】
 しっかりとしたバランスと、背景設定・効果と名前の兼ね合いも抜群。はっきり言って、名前のセンスはこれが一番「キてる」と思ったからだ。バランスを練りこむのは一つの「当然」の壁として、そこから一つ先に飛び出るのはやっぱり名前。
 潔白セイレーン、という名前自体が『良い』ものかどうかはわからない。個人の価値観によるものだからだ。しかし、めたぽ個人としては、この域に迫る名前はここ数回ではなかったのでは?とすら思う。
【ill. 卯双月さん】他の作品も見ていただいたらわかるのですが、卯双月さんは「一から造形する」系のカードをデザインする時の意匠のこだわりが半端ない。これについても、頂いてファイルを開いた時の衝撃がなかなかのもんでした。
 「20枚目だったので、いつもより気合入れたよ」というコメントを頂いて、改めてその枚数にまずびびってるのですが、デザイン背景共に手の抜く要素が全く見受けられない完成度です。
 結構ぎりぎりな艶やかさ。《水の踊り子》路線と言うべきでしょうか。

《情報隠蔽》 (速攻魔法)
効果:自分の手札を全てゲームから除外する。この効果で除外されたカードは任意のタイミングで手札に戻すことができる。
【水母さん(6か月ぶり2回目の入賞 06.2 07.9)】
 少しテキストに疑問点が残る(というより、実際のカードに例が無い)ため、大見得切って押せず、それゆえ上位入賞は厳しいがその斬新性が高く評価されての入賞だ。手札破壊回避などが1枚のカードを使ってやるべきことか、を悩ませる。実際のカードとの兼ね合いをとかく考えさせるのはオリカのあるべき姿なんじゃないか……と思う。

《句句廼馳(ククノチ)》 地属性/植物族 ☆5 2050/2350 【スピリット】
効果:このカードは特殊召喚できない。召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。
このモンスターが召喚・リバースした時、自分の墓地または手札から植物族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
【カリューさん(11か月ぶり2回目の入賞 05.8 07.9)】
 ククノチは木の神様。植物族という設定とともに《ロードポイズン》を昇華した能力を作り上げていてとても綺麗な作品だ。
効果自体が大雑把に強力に見えるのだが、実はこれって本当に《ロードポイズン》と大差ない。生け贄召喚が必要な分、スピリットな分を考えたらどちらが効率いいかは本当にどっこいどっこいであり……上手く植物を選んだなあと思う。
 この手の神様は大概上級スピリットでみんな作ってくる。それだけに、《ダンディライオン》等再利用の旨みがある植物を選んだのはチョイス勝ちだ。

特別賞

《合せ鏡の無限回廊》 (カウンター罠)
効果:相手が発動コストが存在するカードを発動してきた時に発動可能。同じ発動コストを支払うことによって、そのカードの発動と効果を無効にして破壊する。相手のカウンター罠に対して発動する場合、手札からこのカードを発動することができる。
【織葉さん(2回連続5回目の入賞 05.8 06.5 06.7 06.12 07.9)】
 これは正直優秀賞に持っていきたかったのですが、Aitsuが「ちょっと強くないか」ということがあり意見が相反しましたので、だったら ということで「特別賞」に持っていかせてもらいました。個人的には絶妙なバランスだとは思っていたのですが、この辺は審査員との兼ね合いですね(笑)
 カウンター性能のバランスはもちろん、3文目の「ピッチ」処理には本当に心惹かれました。これがAitsuに難色を示した一文ではありましたが、私としては凄い高い評価を下したいと思っています。補正・贔屓がないことはお約束したうえで、織葉さんは最優秀1回優秀1回佳作2回の過去4回入賞、そしてこの度の特別賞で賞をまさに『総なめ』した初めての人。ある意味、「参加者の最大のライバルでありお手本」たる作り手の方だと思います。その考え方を貪欲に吸収していくのも一つの手ではないか、と思いますよ。(めたぽ)

【講評】
 今回、最上部コメントにもある通り本当に「惜しい」カードが多かった! 個人的にはあと4枚《使者の遺贈》《ナルシスの水鏡》《彷徨う坩堝》《縁の下の選考会》を候補としても挙げておいたのですが、「あと1歩」な練りこみ揃い。効果の引用はいたしませんが、その4枚の作り手は自信を持って良いと思います。
 その裏で、少し力不足な参加者が多かったなと感じたのも事実。前回の開催から久しぶりの開催なので参加者が新鮮に総入れ替えしたからでしょうか。こっちが望む価値観との食い違いを感じました。
 確かに「目新しい試み」は大歓迎しています。しかし、今月はちょっと「深層に食い込みすぎ」なものが多かったと感じています。既存のテキストで出来る限り処理が行える斬新さ……《情報隠蔽》は本当にギリギリなところでした。「基盤ルールを壊して斬新なものを作れる」ってのはきついですが当たり前。美味しい食材を使えば美味しい料理を作れるのは普通なのです。
問題は「ありあわせの食材で何が出来るか?」ということ。ありあわせ(既存カードの考え方)を頭を凝らして、工夫を凝らして昇華してほしいわけです。
 これからどんな作品が見られるか、楽しみにしております。

10月/テーマ:カラー

最優秀賞 選定棄権

 今月も最優秀に持っていくべき作品がありませんでした……というより、これはこっちの落ち度でしょう。またやってしまった、「テーマが難しすぎた」という失敗です。個人的に「色」というテーマは割と間口が広いと思っていたのですがあまりそうは受け取っていただけず、実に素直にテーマを解釈されていた方が多く、それゆえ競合しているところもあったのです(いけないわけではないのです、ただ競合率の高さから望まれるものも高くなってしまうのですね)
 例えば実際居た一つ差をつけた解釈として「烏/鴉(からす)」を使ってみるとしたら、「カラス」という言葉では直接色を表現しているわけではありませんが、誰しもがそれで黒をイメージする。これも一つの「色」なわけです。同様に「自然」が「緑」をetc。名前から切り込んできた入賞作品はこのあたりで攻めてきています。
 あとは、名前を潔く最低限に捨ててきて「効果に『色』の解釈を持ち込む」ということ。これは競合もされていましたが、
皆さん各々の表現がなされるため競合の減点はなされていないです。安心(?)してください。
 とにかく、できれば私達は一生懸命解釈します。例え一見ではテーマとそぐわないセンテンスであっても、作り手の考えるつながりを感じられるように脳内知識をフル稼働し、わからない分野は調べもします。出来る限り作り手の意図を見つけ出すように頑張っています。なので、テーマにがっちがちに縛られないようにして頂きたいのです。「それならテーマなんかつけるなよ」と思われそうですが、それをしてしまうと他のサイトのオリカ企画とそれこそかぶっちゃうので、この辺の「辛辣さ」にこれからもなんとかついていただければ、と思うわけです。
 長々と失礼しました。私達も棄権を喜んでしているわけではないということが伝わればよいのですが……!

優秀賞

《同属探知霊》 光属性/天使族 ☆4 1500/1900
効果:このカードがフィールド上に存在する限り、モンスターがその属性と同じ属性のモンスターの生け贄召喚のために生け贄に捧げられた時、カードを1枚引く。
【ジェルベールさん(初受賞)】
 解釈としては「一色」で攻めてきたであろうカード。モンスターとしては堅実なバランスと、テキストに問題なく新しい分野を決め込んでいて高評価を獲得した。属性や種族といった「枠」がクローズアップされている現在だけに有効活用法を考えるのにわくわくさせるし、そういった点がオリカには求められると思う。色という枠に「こだわりすぎない」代表格だ。

《カラーズトラップ》 (永続罠)
効果:このカードの発動時、属性を2つ宣言する。宣言した属性のモンスターは、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、攻撃できない。自分のスタンバイフェイズ毎に100ライフ払う。払わなければ、このカードを破壊する。
【haruさん(初受賞)】
 こちらはAitsuが主に推してきて、めたぽとしても特に異論が無い仕上がりであったので優秀に決着。標準の指標として、優秀以上は「審査で反対意見が出ない」ということがあるので、そこでの着地だ。Aitsuはどうにもこうにもこういった「微妙にコストな微妙な効果」のカードがお気に入りらしく、めたぽとしてもわからなくもない。このように、ばちっとはまる様子が想像はしにくいが、がっつりはまる可能性があるカードは大好きで、それもPTDN発売後に審査されたというタイムリーさも功を奏したかもしれない。

佳作

《紅葉狩り》 (通常魔法)
効果:自分フィールド上に表側表示で存在する植物族を1体選択する。選択されたモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで0になり、以下の効果を1つ選んで発動する。
●デッキからカードを2枚ドローする。
●自分の墓地から植物族モンスターを1枚選んで手札に加える。
【シルフィさん(初受賞)】
 効果は凄い上手い!と感じていたし、本来の紅葉狩りから外れた、本当に狩り(ハント)としての効果解釈。隙なしと感じていたが、やっぱりドローは諸刃の剣。バランス的にはちょいと強すぎると話し合いの末解釈。例えばレクンガトークンの存在。また、実質的にデメリットは「攻撃できない」程度になるくらいなので、デメリットに比べたら2ドローのメリットはちょっと見返りが強すぎるかなーと。
 もちろん、作り手のシルフィさんもその辺を十分に考えた上でここに落ち着けたのだろうが、この辺は審査員との意識の乖離。ドローカードのバランスはこちらはかなり敏感なので、次回に活かしていただきたい。

《緑化運動》 (速攻魔法)
効果:相手の墓地のモンスターカードを2枚選択する。選択したモンスターカードを永続魔法扱いで相手の魔法・罠カードゾーンに置く。
【トリさん(初受賞)】
 自然をテーマに「緑」を見据え、そこからリサイクル思考に発展させてモンスターをどうこうする作品は割かし見受けられたが、その中で一際クレバーだった作品はこれだ(※後にもう1枚あるのですが)
 《心鎮壷》と兼ねあってで候補に値するかの議論をしたが、モンスターがいなければ使えないことであったり、永続罠でないからこそ《心鎮壷》でないとできない戦略があったり(《神炎皇ウリア》etc)と、そのあたりの差異はあり一概に優越を下せないため、バランスも良好と判断。テキストも綺麗にまとまっているカードだった。

《モザイク!》 (永続罠)
効果:手札およびデッキを確認する効果を含むカードの効果を無効にする。
【孝野平さん(初受賞)】
 色!? 色なのか!? とも思うが、色が「視認できるもの」なのだったらこうも解釈できるのだろうなあ……と。
 アイデア的には突出してるとはいいがたいのだが、この効果のタッチの「遊戯王らしさ」をおわかりいけないだろうか。単純を極めた名前とセンテンスで一目で表現をしきる。どうしても魅力ある効果を作る場合はテキストが煩雑になってしまうので、作ってみればみるほど敬遠されがち。しかし、テキストが長くなればなるほどその「真意」が伝わりづらく一見して使わせる魅力を伝えきれない。
 そう考えた時に例え効果としてマルチプレイヤーでなくともシンプルに決め込むのも一つの手であり、会心の一手なのだ。この1枚を見て、「何故この簡単な効果で入賞して、俺の作りこんだ効果が入賞できないんだ」と思った方は、私達審査側との意識の乖離が起こっている可能性があります。もう一度、遊戯王カードの作り方の内面を考えなおしてみるのもいかがでしょうか、と思うわけ……だったり。
 孝野平さんには申し訳ない、人様の入賞コメント枠で説教じみたことをを書いてしまい申し訳ないのですが、オリカ☆めいきんぐの回を重ねて効果の複雑化のインフレの一途に対する強烈なアンチテーゼ。審査側のほっぺたをも引っぱたいてくれたカードでした。

0710_3_murasaki《紫鏡呪怨(ムラサキノカガミ)》 闇属性/アンデッド族 ☆4 3000/2000 【スピリット】
効果:このカードは特殊召喚できない。召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。召喚・リバースしたこのカードのコントロールは相手に移る。スタンバイフェイズにこのカードがフィールド上に存在する場合、コントローラーは手札を全てデッキに加えてシャッフルする。
【焼き鳥さん(初受賞)】
 簡単そうに見えて、その効果の発動は難しいので大味ではあるが問題ないだろうという判断。
それこそ《強制転移》らによるコントロール移動と《砂漠の光》といった併用コンボ、
3枚クラスになるのなら《火之迦具土》とそう変わりゃしないし、それでまた3000クラスの戦力を1ターンでも残してしまうことを考えたらバランスの良い取引なんじゃないだろうか。
 良くも悪くもとてつもなく大味なカードなので慎重を期する判断ということで。
【ill. 天龍さん】でかぶつなスピリット、公式的には《火之迦具土》的雰囲気を継承するマッチョダンディを見事描いてくださいました。 効果が人に乗り移って悪さをするな効果であり、そこをしっかり描いてくださったのでおどろおどろしいです。
 これまでの天龍さんの絵らしく、どこか水彩チックに迫力のあるお仕事、 忘れてはならないスピリットとしての水色の背景線を含めて隙の無いイラストです。

《極彩映える秀峰》 (フィールド魔法)
効果:モンスターカードゾーン以外から魔法カードが墓地に送られる場合、代わりにそのカードをモンスターカード扱い(植物族・地・星1・攻0/守0)として持ち主のフィールド上に特殊召喚する(魔法カードとしても扱う。生け贄召喚の為の生け贄にはできない)。ターンプレイヤーは手札の水属性モンスター1体を捨てる事で、このカードの効果によって特殊召喚されたカードを全て破壊する事ができる。
【リバーさん(4か月ぶり3回目の入賞 05.11 06.8 07.10)】
 上記《緑化運動》と真逆の発想のカード。本来そういった対極にある発想は食い合わせてどちらかのみの入賞を取ってきたが、今回はそれぞれに異なる味があったので双方入賞となっている。
 どマイナーをついてきている効果ではあるが、一つ一つの永続効果・起動効果に制作の愛情がにじみ出ているほどリンク性があり、名前とも兼ねあってものすごくイメージがしやすいカード。
 ただまあ仕方がないところではあるが、シンプル性に欠けていた為佳作に落ち着いた。

特別賞

0710_4_forest《ウイッチの黒き森》 闇属性/植物族 ☆7 2100/2200 
効果:このカードがフィールド上から墓地に送られた時、自分のデッキから守備力1500以下のモンスター1体を選択し、
お互いに確認して手札に加える。その後デッキをシャッフルする。
【MEMENTOさん(初受賞)】
 これはもう何も言うまいな発想の勝利ではあるなあ、と思うのです。
 効果はご存知《黒き森のウィッチ》と同一、名前の改変は最低限にとどめているのですがそれも綺麗にまとまり、その改変によって人から物へ変化しているため植物族も妥当。そして、禁止クラスだったあの効果も植物の最上級となれば妙に納得してしまうとの一言でした。
 狙いが狙いだけに上位入賞は難しいですし一旦は佳作の位置に落ち着きかけました。その後、佳作候補6枚の中から零れ落ちてしまったのですが、それでも完全に消してしまうのはむげなのでこちらに。この発想をこれからも大切にしてくださいね。(めたぽ)
【ill. 卯双月さん】今回はまさにこの発想が出来るか否かが絵師さんと私の超えられない壁であると感じました。あとがきとして『数多のモンスターを手札に加える効果を考えると、イメージとしてはウィッチが住んでいる森というより、ウィッチが作り出した森という気がしました。』というコメントを頂いているのですが、この端的簡潔にしっかりと想像を表現できる力。本当に半端ないと思います。
 私はこのカードの効果からはいわゆる《森》的なイラストしか想像できませんでした。想像の埒外の着地点でした。

【講評】
 まずとにかく競合率が高かった「ガジェット」と「暗黒界」。これは当然設定した私(めたぽ)にとっても予想通りといえました。だからこそ当初から、特にこの2つは色眼鏡を厳しく設定していましたし、残念ながらそこに値する作品はありませんでした。あと、名前に、シンプルに色を入れた作品、ブルーやレッド・ブラック・ホワイト……そういった単語を入れている作品も多かったため、こちらも少し名前から弾かれぎみなところがありました。
 総じて、なのですが今回は少し名前のセンスが従来より……というところでした。確かに「色」なんてテーマ、抽象的なところもありましょうが、それでも唸れるカードは幾数枚あったわけです。難解な名前がいいというわけではありません、が、遊戯王らしくそれでいてまとまった名前を捻っていただければと思うのです。
 参考として、今回競合率が高かった文脈や効果分類を挙げておきます。ここに引っかかった方はストレートに狙いすぎなところがありますので、立ち止まってみることをお奨めします。

【カード名】
・イエロー・ブルーなどの直接の「色」(これは黄・青といった日本語も、です)
※ただしこれは熟語は例外です(黒幕etc)
・《ホワイトアウト》《ブラックアウト》
・プリズム、屈折系(※しかしこれは良いアイデアだと思ってましたので、効果で押しが弱かったでしょうか)
・パレット
・シグナル

【効果システム】
・ガジェット
・暗黒界

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