オリカ☆めいきんぐ(2008年)入賞作品

2月/テーマ:フリー

最優秀賞 選定機権

 今月は都合によりめたぽ一人で選定を進めたのですが、私が思うに非常に惜しかったポイントは「どれもこれも光る物を持っているのに、
バランスがちょっと悪かったなあ」と思いました。それの実例は以下の個々受賞作でそれぞれ述べていくのですが、
ある程度現実のカードと照らし合わせてのデバッグは突き進めて欲しかった。そうしてもらえれば非常に印象深くなったと思うのです。

優秀賞

《訳知らずの外来種》 地属性/植物族 ☆7 2400/1800
効果:このカードを手札から出す場合、自分フィールド上のモンスター1体と相手フィールド上のモンスター1体を
生け贄に捧げて自分フィールド上に特殊召喚する。このモンスターを特殊召喚する場合、このターン通常召喚・このカード以外の特殊召喚はできない。
このカードはフィールド魔法として発動することができる。(フィールド魔法としての効果はない)
【WAKAさん(5か月ぶり3回目の入賞 06.7 06.8 08.2)】
 新しくも既存のテンプレートにまとめることが可能な召喚条件と、「生態系を荒らす」という外来種のやり方をうまく表現したいい植物カード。そのうえの意味の無いフィールド効果が外来種の生態系に及ぼす「意味の無さ」を表現し、オリカのテキストとしてのかゆいところを抑えていて、WAKAさんのオリカ作りの繊細さをうかがえる。

0802_2_zeppeki《崩れる絶壁》 地属性/岩石族 ☆4 0/2700
効果:このカードは攻撃をすることができない。このカードが戦闘を行なった場合、ダメージステップ終了時に破壊される。(この場合、戦闘によって破壊されたものとする。) このカードが破壊され墓地に送られた時、相手フィールド上のモンスターを全て守備表示にする。
【geniusさん(初受賞)】
 地属性岩石族はカッチカチなのは相場であり、そこからどう効果を派生させていくかが腕の見せ所となる。そしてこの作品だが、一つ一つはそうアイデアが豊かなものではないが、自然にうまく結び付けつつ「岩石」に合うようなチョイスをしているため、非常に覚えやすい、理解しやすい効果となっている。
 オリカを作るうえで「覚えやすい」っていうのは大きな利点。簡単すぎず難解すぎずの落としどころとして非常に優秀な出来上がり。
【ill. 霞卯月さん】もはやお絵描き掲示板界隈の巨匠(色々な意味で)であり、このめたつぼにも多大な影響力を持っている(笑) 霞卯月さんがついにめいきんぐにも参上してくれました。
 なんのかんの言えども、霞卯月さんの「オリカ絵」っていうのはなかなかこれまで見受けられなかったと思います。 その意味では希少かつ、これから度々見受けられることになるであろうことは主催者側としても非常に楽しみです。
 さて、絵はかなり《ビッグ・ピース・ゴーレム》路線。岩石は無機物なので結構メリハリがつけにくいと見受けられるのですが、 そこらを解消して実に遊戯王ちっくな「コメディなおどろおどろさ」を出し切ってくださいました。

佳作

0802_3_marume《丸め込み》 (速攻魔法)
効果:相手モンスター1体が特殊召喚された時、そのモンスターのコントロールを得る。
【タケノコニョッキさん(8か月ぶり2回目の入賞 06.4 08.2)】
 「トリガー型のコントロール奪取」というのは結構盲点であるし、リアル環境と照らし合わせてのこのカードの存在は、強く登場して欲しいくらい感じ。シンプルにまとめあげたテキストと名前は高い評価だ。
 ただ、残念ながらこのテキストだと結構捕球範囲が狭いのだ。個人的には《王宮の弾圧》テキストテンプレートにして「含む効果」も捕球してくれてもバチはあたらなかったと思う。
 おそらくはそこに考えがいたらなかったということは無いだろう(=わざと「こっち」を選んだのだろう)。それだけに審査側との価値観の乖離がもったいない一枚。
【ill. ユミハリヅキさん】描き込みの質・量が素人目から見てもヤバすぎる! 普通に商用カードに入ってもおかしくないハイクオリティすぎる一枚を頂きました。
 コントロール系が来たら《心変わり》の天使さんを採用するとは前もって決まっていたらしく即決、 よってこのたび非常に手早く仕上げていただきました。また、奪われているモンスターは《混沌帝龍-終焉の使者-》。 実際に丸め込もうとしたら優先権行使でぶっぱされて発動タイミング逃して涙目、とかなりそうですが、そこは「オリカだけど」です(笑)
 「レトロ感溢れる顔ぶれになっちゃいました」とのことですが、いえいえ むしろこのコンテンツを楽しむ方のニーズにぴったりだと思います(笑)

0802_3_skip《スキップエリア》 (永続魔法)
効果:互いのドローフェイズはスキップされる。互いのプレイヤーは、自らのスタンバイフェイズをスキップすることにより、メインフェイズ1開始時に1枚ドローすることができる。
【バキさん(初受賞)】
 《黄泉ガエル》を筆頭にスタンバイフェイズの価値がまた上がってきている。そのことを考えればこの1枚も是非登場して欲しい視点の一枚だ。このカードのよい所はきつい規制をかけておきながら選択肢を残しておくことで脱出口を用意したところ。
カードプールが広がるほど、デュエルが長期戦になるほど映える一枚。しかし、それでも状況を選びすぎる一枚なので佳作とさせてもらった。
【ill. 五十嵐さん】これは本来のご依頼とは別に頂いた《対向斥力》以来のイラストです。ダブルミーニングな発想で仕立て上げられたイラストは、 本来の効果的な『飛ばす』『領域』を逸脱して、「こっちかー!」と納得しました。こういった発想、遊戯王はすごい寛容ですよね。 公式カードでもよく用いられていて、創作にすごいやさしいと思います。
 エリアが、同じ水属性の《黄泉ガエル》を踏み台としている。スタンバイフェイズをスキップすることにより《黄泉ガエル》は切なくなりますし、 同じ水属性の仲としても切ない(笑) 効果とか関係性の深層を考えたら何か複雑な気持ちになる面白いイラストです。

《清楚な壺》 (通常罠)
効果:このカードは自分のターンのエンドフェイズにのみ発動できる。自分のデッキからカードを2枚ドローする。
【メコンさん(2か月ぶり2回目の入賞 07.9 08.2)】
 「ドローカード上位入賞できない説」をやっぱり踏襲してしまったけど、それでも上手くオトしてくれたなあと思う一枚。
伏せたターンは罠が使用できないので、ドローできるのは実質往復1ターン後。それもドローはエンドフェイズなので、使用できるのは往復2ターン後。こうまで間延びしたとなると2ドローも認められると考えられないだろうか?
 過剰なまでのリスクを設定したとも言われそうだが個人的にはいいバランスだと解釈させてもらった。

0802_3_empress《終焉の妃》 光属性/天使族 ☆7 ?/2700
「冥府の使者カイエントークン」+「冥府の使者カイエントークン」
効果:このカードの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。このカードの攻撃力は、
融合素材に使用したモンスターの攻撃力を合計を2倍した数値になる。「融合」魔法カードの効果によってこのカードの融合召喚に成功した場合、このカードは以下の効果を得る。
●このカードを生け贄に捧げる。自分はデュエルに勝利する。
【い〜さん(6か月ぶり5回目の入賞 05.7 05.10 06.5 06.7 08.2)】
 えらいジャンルに切り込んできたなあというのが第一印象だが、さらに思ったのが「配慮をいろいろがんばってるなあ」ということ。融合したらついてくるアレな効果のバグ防止のための素材規制を筆頭に、トークン2体を場にそろえようと思えばコントロール奪取が必要と、なかなか現実味がないのが面白い。
 ただ、それでもやっぱり素で《偉大魔獣ガーゼット》なのはバランス的に怖いかなと考え佳作に。これ自体は融合モンスターであるため特に投入にデメリットも無く、そうなるとかみ合わせ次第で即死クラスになるのは危ないんじゃないか、と考えさせてもらった。あくまでも個人的だが、2倍しなくても良かったと思う。(後述するが「勝利」効果も評価を下しにくい)
 また、融合すると「倍加」も「勝利」も得る。そのうえでこのカードは《融合》以外の筋で出す意味はあまり無い。「勝利」の時点で「倍加」効果が薄れてしまうので、その辺でキャラ付けが濃すぎた感じ。「勝利」効果が無くても十分な魅力だし、その点で効果のバランスは残念な一枚。ただ、その新しさを高く評価させてもらった。
【ill. 五十嵐さん】申し訳なくも、とても難産の末に生んでくださったキャラクターの模様です。女性キャラを可愛く仕上げてくれる五十嵐さんなら息を吐くように! ……と思ったら、やっぱり見ている側と描く側では相違するものなのですねえ。ご迷惑おかけしました。
 「終焉」と「妃」。どちらもとても『広い』単語。そこから創っていただいた絵は、とても五十嵐さんらしい「和やかなタッチ」と「恐怖感」の同居。 《災害保険》以来のそれは油断しちゃうと吸い込まれそうです。創作ログによると、初期の妃はもっと無表情を目指していたとのこと。なんというガクブル。

【講評】
 粒ぞろいではありましたが、佳作にもう一歩!な次点が多すぎ、結果として最優秀棄権、優秀2佳作4と、従来より少しきびしめな結果となってしまいました。特に思ったのは名前とノリと壊れコンボの危険性。
 名前を洒落や時事の水物でまとめてくるのは選定の際に非常に嫌ってしまいますし、効果自体は入賞クラスでありながら名前の影響で入賞を逃したもったいない一品も合ったくらいです。やはりオリカめいきんぐは審査コンテンツでありますので、他のコンテンツのような馬鹿ノリはできません。繊細に選定するように意識しますし(※特別賞除く)、その点で「リアルカードの環境」以外には左右されないようにしています。(※リアルカードには影響されるというのは既に06年2月《フェイント》で表明されています)
 過去の入賞作を見直して頂いて、「どういう構想」が好まれるか……を一度考察してみるのもいいかもしれませんね。

9月/テーマ:フリー

最優秀賞

0809_1_wisdom《知恵の悪魔》 闇属性/悪魔族 ☆5 2400/1800
効果:このカードが表側表示でフィールド上に存在するかぎり、自分と相手の墓地に存在する魔法・罠カードと同名のカードを、相手は発動できない。1ターンに1度、自分のデッキから魔法または罠カードを1枚選択して墓地に送ることができる。
【more moreさん(初受賞)】
 秀作揃いの今月の中、一際目に止めさせるものを感じた効果がこれ。そもそもテーマデッキがガチ要素になってきて一つの種類のカードをフル投入も考える時代であるだけに、こういった視点から既存構築を壊そうとする視点は面白い。
 一文目の効果だけではインパクトは薄め。しかし、さらに二文目を追加することでさらに封殺効果を際立たせ、それだけでなく単純に《おろかな埋葬》的役割でも使用できると、マルチな目的で考えたくなる魅力ある効果と仕上がっているのだ。
その点でモンスターを含めてしまうと《E・HERO プリズマー》上位になってしまうため、現状で大正解。
 決して汎用的な効果ではない。だが、「使い甲斐がある構築」が数点あるため使いたい魅力を持ち合わせる。オリカの魅力を存分に詰め込んだ見事な仕上がりだ。
【ill. 霞卯月さん】霞卯月さんにコメントを書き下ろしていただいてますので、そのまままずはご紹介いたします。
 『最初に名前を見た時は【8頭身のいたずら好きな双子悪魔】とか、【マザー・ブレイン的な脳の飛び出た悪魔】のようなキモイ(?)悪魔を想像しました。 ただ、悪魔は知恵というよりは悪知恵のイメージが強く、効果が知能を持っていそうな感じだったので人間型にしてみました。 ということで、今回のイメージは【頭脳戦を得意とする悪魔】です。四角い光はデッキから選択する効果を表現しています。』
 「電脳的表現」に定評がある霞卯月さんが、活かすようにかきあげて下さいました。

優秀賞

《棺桶の蓋》 闇属性/岩石族 ☆1 100/100
効果:このカードを手札から墓地に捨てる。墓地のカードを対象とするカードの発動を無効にし破壊する。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。このカードが自分の墓地の一番上に存在する限りお互いに自分の墓地のカードを対象とするカードの効果を発動できない。
【noirさん(初受賞)】
 基本は《D.D.クロウ》思考に準拠。そのうえで色々と乗っけている追加効果のメリットデメリットのシーソーが絶妙な仕上がりになっている。
 効果の相違点は、それを除外とまではしてくれなく無効にとどめること(下位にあたる)。上手く言い表しにくいが、まさに「墓地に蓋をする効果」を追加すること(言い切れないが、追加分として上位とする)。
 そのうえで属性種族の絡みがあって、《D.D.クロウ》の価値をおとしめず上手く強さを表現しているいいバランスのカードだと判断した。

《輪廻の渡り鳥》 光属性/鳥獣族 ☆1 100/100
効果:自分の墓地に存在するこのカードをデッキに戻す事により、相手の墓地からモンスター1体を選択して持ち主のデッキに戻す。この効果は相手ターンにも使用する事ができる。
【闇太郎さん(13か月ぶり2回目の入賞 05.10 08.9)】
 今期はどれだけ墓地に執着してるんだと思われるようなラインナップだが、こちらも優秀なオリカ。
 墓地で予告してしまっているため《D.D.クロウ》に比べて奇襲性が疑わしいが、そこで後れを取った分「働きだすのは墓地に行ってからでいい」=「フィールドなり手札なりで一仕事終えてからでいい」ということ。《ゴッドバード・アタック》その他の要リリースとの相性を考えたくなる仕上がりだ。
 ここの属性を、《D.D.クロウ》によせて闇にしてしまえば《死のデッキ破壊ウイルス》無双でエグいことになる。この辺の調整が上手くてニクいなー。
 これを含め今回の上位3枚はバランスの面で飛びぬけている。

佳作

《星降る天文台》 (フィールド魔法)
効果:ターンプレイヤーはスタンバイフェイズ時にサイコロを1度振る。
このターンのエンドフェイズ時まで、お互いの手札とフィールド上に存在する全てのモンスターはサイコロで出た目+1のレベルとなる。
【我楽多王さん(初受賞)】
 これは「デザイン秀逸賞」型で選ばせてもらった一品。レベルはまさに用語的にも「星」だし、それを『スター』にかけあわせて流星群的発想にするのは綺麗なつくりだなあと。
 シンクロがある以上レベルいじりも酔狂な暇つぶしではないし、特に偶数レベルのシンクロモンスターの召喚には頼りになるカード。《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》対策にもなったりと、相当渋い感じだ。
 ただ、苦言を一つ呈するとすれば「ターンプレイヤー」という効果表現は正解ではない。遊戯王のテンプレートにのっとるなら「お互いのスタンバイフェイズ時に〜」で十分だった気がする。既存のテンプレートにかぶせられる表現があるなら、発進はちょいと慎重になってもらいたかった。

《黄金の骨壺》 (通常魔法)
効果:自分の手札が相手の手札より少ない時に発動できる。1〜3までの数を1つ選ぶ、選んだ数×1500ライフポイントを支払い、選んだ数だけデッキからカードをドローする。「黄金の骨壺」は1ターンに1度しか発動できない。
【な〜がさん(初受賞)】
 受難続きのドローオリカ入賞作だが、ここまで賢明かつ繊細な調整を加えられたとしたら素直に唸らざるを得ない。頑張れば《強欲な壺》以上の成果を得られるとは言え、それには相当の努力とデッキタイプの選択を必要とする。普通にドローを求める分においては《貪欲な壺》で十分なところがあるが、一際のライフより大局的に手札がほしいコントロールデッキ、特にパーミッションにおいてはこちらの方が似合いそう。
 ドローオリカはえてして1キルとの兼ね合いで厳しい目を向けられがちだが、行き届いたチューニングをされた1枚。ただ一つ、一文目の誓約は伏せセットでないがしろに出来てしまうのが難点。ここをなんらかの改良で逃げ道を塞いでくれたらよかったなあ、と。

0809_3_gekitotu《激突》 (速攻魔法)
効果:フィールド上の同じ攻撃力のモンスター2体を破壊する。
【おひげさん(初受賞)】
 たまにはこういったシンプルイズベストな作品も琴線に触れるわけで、こういったカードが残るのは審査の際のフィーリングからして「絵にしやすそうなテーマだよなあ」、そういった発想も少なからず影響するわけだったりする。絵師様にテーマを丸投げして「思うように組み合わせで激突させてください」とかがオファー側としても楽しい、「効果秀逸分野」「デザイン秀逸分野」とかで分けるとしたら、これは間違いなく「イメージ発想秀逸分野」とかになるところだ。
 効果自体も速攻魔法としたため激突のスピーディー感が出てるし、リアルが《ダーク・アームド・ドラゴン》や《裁きの龍》が複数枚同時に出る環境であるからこそこの発想のカードがうらめしい。上手く魅力を絡め合わせてくれているカードだ。
【ill. 天龍さん】ファンタジーの壮大感に定評のある天龍さん。今回の作品についてもどこのラスボス直前だよという仕上がりです。資料面で《カオス・ソルジャー》まわりが集まらなくて仕上げるのに苦労されていた模様ですが、それを感じさせない自然な仕上がり。相手方ドラゴンについては見る人の想像の余地を残しています。あのドラゴンかも、このドラゴンかもっていうところです。シチュエーションがいい意味で悩める一枚なので、いろいろな選択を考えられていた模様です。

0809_3_forest《深き森のコロボックル》 地属性/獣族 ☆5 1700/500
効果:このカードはリリースなしで通常召喚する事ができる。このカードがアドバンス召喚に成功した時、ゲームから除外されている獣族モンスターを全て墓地に送る。この効果で墓地に送ったモンスターの数×600ポイントだけ自分ライフを回復する。その後、このカードを破壊する。
【theuさん(初受賞)】
 妥協召喚の下級17か、一種の魔法として「獣の《異次元からの埋葬》的利用、ライフ回復付き」ととるか。あくまで獣族視点で考えたらアドバンス召喚時の誘発はかなりの破格。効果テキストも隙のない仕上がりで、考え慣れてるのが把握できる良いカードだ。
 獣族は特に能動的に除外ギミックを持っているわけではないが、《D.D.クロウ》その他の影響で除外「されてしまう」ことも多い。それらに対してのいわゆる「メタのメタ」カードとして考えたら良い牽制で垂涎モノ。
 名前やファンタジーのメジャー性からして普通にリアルで登場しても不思議はないよなあと思わせる完成度の高さだ。
【ill. ユミハリヅキさん】「除外されて彷徨う獣族の霊魂を、墓地へと導いている案内人」というテーマで描いたとのことで、 《キャトルミューティレーション》から霊魂的物体を使い、ふきの葉を動物の骨で飾るという「占骨術」思想も取り入れるという、 徹底したプラグマティズムによって生み出された作品です。全体的に粒がかったエフェクトが多く、さりげないところまで完璧に張り巡らされた超力作です。すごい!

0809_3_rinne《輪廻の冒涜者》 闇属性/魔法使い族 ☆8 2900/2400
効果:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分の墓地にモンスターが存在するプレイヤーの発動した魔法カードは「自分の墓地に存在するモンスター1体を手札に加える」という効果の通常魔法となる。
【tさん(初受賞)】
 モンスターが極少のデッキでない限り、発動する魔法がほぼ《死者転生》に。必死に発動する全てがモンスター過労モードにつながる。確かにこれは「輪廻の冒涜」。名前からのデザインがすばらしい。
 本来なら優秀にもっていっていいレベルの作品ではあったが、ちょいと疑問点を持ったところがあったためこの場所に抑えた。一つが「自分の墓地にモンスターが存在するプレイヤーの発動した魔法カード」。いや、読めば当然わかるテキストなんだ……が、ちょいと一瞬で意図が掴みにくいところがあった。具体案が出せるわけではないが、もう少し整頓された記述を望みたいところだった。
 あとは「通常魔法になる」。ここは勇み足だったかも。これだと「相手ターンに発動した速攻魔法をどうするか?」というバグが発生してしまう。リアルに「通常魔法を速攻魔法扱いで発動する」類のカードがない以上判断に困り、そういった見えるバグのあるカードは斬新であっても上位に推しにくい。ここは素直に「発動した通常魔法カード」にするか「という効果の魔法となる」にするか。どちらかに統一した方が良かったと感じた。
【ill. 天龍さん】逆に珍しいケースとなる「どまんなかモンスター」な造形。とはいってもこのギャラリーを見ればお判りの通り、 天龍さんはめいきんぐでは元よりその傾向。このたびのように《死者蘇生》のシンボルを使って「輪廻」を表現するのはなるほどなーと思いましたし、 普段からカードイラストを参考にする視点で見てないとなかなか意識できないと思います。バックの基調は英語版《死者蘇生》、 黒で表現することによりここまで「邪神」っぽく見えるシンボルなのですね。

特別賞

《迫害の炎》 (通常魔法)
効果:手札を1枚捨て、自分フィールド上の表側表示モンスター1体を選択して発動する。このターン対象のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えているなら、相手の手札を確認しその数値未満の守備力を持つモンスターを全てゲームから除外する。
【楊さん(初受賞)】
 今回の特別賞は「運営のお気に入り」というより「6枚目の佳作」。それほどまでに今回はチョイスに悩むほどの豊作だったとすら思いました。こちらのカードも手札破壊を目的としていますが、実に絶妙なバランス。ある程度の下ごしらえをしなければぶん回すに終わってしまうし、逆に考えれば準備すれば絶大な効果が得られる。守備力が低いモンスターチョイスに杭を刺す効果となっているし、テキストもほぼ順当にテンプレートに沿っているためわかりやすいです。
 ただ、何故本賞5枚に入らなかったか、というと……なんだろう……ここが言い表せない差と言いましょうか、インパクトの残り具合(頭に効果がすっと覚えこまれる具合)で一歩引いてしまったからでした。
そこらへんは名前と効果のリンク等でカバーするポイントではありますが、どうにも手札破壊は名前とのリンクは難しいテーマだなあ、と。
 それでも、これを紹介せず終わるというのはもったいない!ということで特別賞として選ばせていただきました。(めたぽ)

【講評】
 今回はホントにもう大豊作の月! 最優秀賞の選出が06・12以来の4回ぶり、最優秀賞・優秀賞・佳作・特別賞のフル受賞にいたってはさらに一月戻っての06・11以来と2年をまたいでの大復興をしてくれました。
 やはりそれはテーマがフリーであること以上に管理人の都合により長らく開催が出来ず8ヶ月もの間皆さんがアイデアを暖めてくれたことによって「自信作」が今月は跳梁跋扈したことによるのでしょう。それほどまでに今回、受賞できなかったカードにもアツいものがいっぱいありましたし、今回は選出に苦にするところは全く無かったです。
 これからまたコンスタントな開催となるため、アイデアの練り上げに苦労されるかもしれません。しかしそれでも、「入賞常連」とかが出るあたり、やっぱり実力ってのは出るものです(※当然ですが、選出の際に投稿者名は考慮しません。編集時、上枠に名前を入れるとき初めて気づくのです)。めきめきと鍛えて、これからも私を喜ばせてくれたら光栄です。

10月/テーマ:スポーツ

最優秀賞 選定棄権

 テーマが難しかったのか、かみ合わなかったのか、苦手だったのか。それとも告知不足だったのか。今月のめいきんぐは過去最低の参加者で3桁を割り込んでしまい、それに伴って相対的に選定候補も少なくなってしまいました。結果として一つ飛びぬけた作品というものはないと感じたためこの措置を取らせてもらいました。
 ただ、正直これって難しいんでしょうかねー。スポーツ用語ってのはえてして門戸が広いと私は思ってます。入賞作にもちょいちょい絡む考え方ですが、例えばターキー(七面鳥/ボウリング)やアルバトロス(あほうどり/ゴルフ)は動物でありながらスポーツ用語、他にも各種スポーツのプロチームは動物であったり地理であったりが絡んでいてガチガチにスポーツで固めなくてもいけたのではないか、と思います。
 その意図が伝わらなかったようで敬遠された方が多いかもしれません。今月は倍率的にチャンスであったでしょうから、是非ともチャレンジしてほしかったところです。

優秀賞

《人工芝》 (永続魔法)
効果:1ターンに1度、自分の墓地のレベル2以下の植物族モンスターを自分フィールド上に守備表示で特殊召喚することができる。この効果で特殊召喚されたモンスターは表示形式の変更ができない。
【クリアルさん(初受賞)】
 ぱっと脳裏に浮かぶ《増草剤》の存在。それと比較するため《増草剤》のテキストを参照してみたらなるほど、レベルの自由を喪失=通常召喚をOKに−表示形式変更不可誓約で等式にかけてきたというわけ。個人的には好感触の調整であると感じたし、
別に《人工芝》がなくなっても連鎖破壊されないというテキスト設定もレベル2であれば苦慮無く受け止められる。レベル2モンスターが立ちっぱなしになるのはその点で痛いかもしれないし、でも普通に戦力が増えるのは大きい……凄いジレンマの際立たせ方が上手いカード。

《ハットトリック》 (通常罠)
効果:次の中から一つ選んで発動する。
●自分のデッキから「マジカルシルクハット」を1枚手札に加える。
●自分の墓地に存在する罠カードを好きな枚数除外して発動する。除外した罠カードの数×300ライフポイントを回復する。
●自分の墓地に「ハット」と名のつくカードが3枚だけ存在する場合に発動する事ができる。フィールド上のカード3枚を選び、それらを破壊する。
【ニュードリュアさん(初受賞)】
 これは「やられた、上手い!」って感じ。どうしてもこの名前で効果を考えるとなると『3』ばかりに意識がいってしまい、
実際それに関しては競合率が高かった。それを『ハット』の方でテーマに仕立て上げて面白い高価にしてくれたのは凄い興味深い。
 それでもやはり『3』を意識しているのはテーマ上仕方ないというか当然の措置というか。そこから脱却しようとする姿勢を受け取らせていただいたということでこちらを優秀賞ということで。

佳作

《残身》 (永続罠)
効果:メインフェイズ1に効果を発動したモンスターは、次のスタンバイフェイズまで攻撃する事ができない。
【NOMさん(初受賞)】
 おそらくは剣道のポイントを取ったときの構えの残しを語源とするカードであり、
効果を体現しつつ起動効果に対する意識をさせるいいカードだと思った。決して上手く《ダーク・アームド・ドラゴン》とかとかみ合うような性質の効果ではないが、夢があって面白い。
 ただ、深読みなのか誤解なのか……「本当であれば」この名前は『残心』になるべき、なんだよなあと思ったので判断に躊躇したため佳作とさせて頂いた。「本当であれば」というのは、当然この名前が狙ったものである可能性もあるからだ。名前を変更させていくこの手の狙いは公式でも良くやられる手法であるので、おそらくは狙っている……はず。
 「投稿と共に解説はNGよ」のもとやっているコンテンツだからこそ、おこりうる齟齬の可能性。日本語は難しいっすねー。

《ソアリング・アルバトロス》 風属性/鳥獣族 ☆6 2000/1900
効果:自分の手札が相手よりも3枚少ない時、手札から自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、鳥獣族モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。フィールド上のこのカードをリリースする事で「イーグルトークン」(鳥獣族・風・星3・攻1400/守1200)を2体特殊召喚する。
【more moreさん(2か月連続2回目の入賞 08.9 08.10)】
 先月の《知恵の悪魔》からの続いての入賞となっているが、本当にこの方はモンスター効果のつくりが綺麗で上手い。もし語弊を恐れずに言うが「そんなことねーよ俺のほうが(略)」と思う閲覧者さんが居たとするなら、そこに『審査側(めたぽ)好みの、綺麗で〜』と補足して欲しい。
 上部コメントにも記述したが、今月はこの手の狙いは多いと思って競合区となると思っていた。しかし、結果的にこちらが穴となった考え方。効果自体も、鳥獣族の公式思考として構築されつつある『複数枚』の考え方を上手く料理しているいいバランスで難の付け所がないお手本のようなカードだ。ただし、優秀にするには一歩地味さが響いて押しが足らなかったというところだった。

0810_3_cheer《チアリーディング》 (永続魔法)
効果:1ターンに1度、デッキから「勝利の導き手フレイヤ」1体を選択して特殊召喚することができる。この効果で特殊召喚したモンスターはリリースできない。この効果で特殊召喚したモンスターがフィールド上から離れた時、デッキから天使族モンスター1体を選択して手札に加えることができる。
【焼き鳥さん(3か月ぶり2回目の入賞 07.10 08.10)】
 フレイヤ関連の効果までは思い浮かんでは保留するタイプの効果。だがそこにもう一つサーチ効果をつけて差別化したのが良い発想。それも、2つの効果とも結構遠慮なしに強めの設定としているため天使族のてこ入れと十分なりうるし、是非とも使ってみたくなる。
 これをバランスブレイカーと判断させない要素はやはり「ジレンマ」。活かすには《勝利の導き手フレイヤ》、それも複数枚投入を希望したくなるが、そうなるとこれで呼び出せなかったときのデッキパワーに難が残る。そのあたりのデッキ構築の妙を改めて味合わせる上手いカードだろう。
【ill. J.Eさん】J.Eさんは主に「ポップ」なタイプのカードを攻めてくるお方ですが、今回も裏切らない一枚。 効果が最高に《勝利の導き手フレイヤ》推しなのでこういった形のイラストになるのは必然ですが、素晴らしく気持ちのいい明るさ。
 この《勝利の導き手フレイヤ》が永続カードとして魔法ゾーンにあったら、プレイヤーも応援されちゃう感じですね!

0810_3_whale《大洋のホエール》 水属性/海竜族 ☆9 2900/900
効果:フィールドが「海」の時、このカードはリリースなしで召喚できる。
【火紙餅さん(5か月ぶり2回目の入賞 06.12 08.10)】
 これは完全に名前勝ちだわ、と。元ネタを瞬時に判断させつつなおかつカード名らしいネーミングを悟らせるセンスは今回の参加者の中でも随一だった。ここをややこしい効果にしてしまえば名前のセンスがアピールしきれなくなる。海竜らしい大雑把なつくりと名前・ステータスのおおらかなセンス。見事にこちらの琴線と合致した。
【ill. 卯双月さん】シンプルに見えますが、各所に心遣いがしみわたってる一枚。「同族であることと色合いを兼ねてディーヴァを採用。ホエールのおおらかなイメージを崩さないように攻撃的でないことも」というメッセージを頂きましたが、確かに。バックは海として「青」として手を抜けるポイントであるわけなのです。それを濃淡をつけたり、《深海のディーヴァ》をまとわせたり、水泡を付けたり。そういったいわば地味な心配りが総合力を高めていると思います。

《ゾーン・プレス》 (カウンター罠)
効果:ターン終了時まで、相手プレイヤーが使用していないカードゾーンを使用不能にする。
【八雲一家さん(初受賞)】
 効果そのものは発動を拘束するコントロールタイプの効果。カウンター罠というのもそこを映えさせることになりそうだし、
既にカードがあるゾーンのカードを使ってしまえば一応ロックではなくなるという穴を残しているのもいいバランスだと思う。
 性質上カウンター罠が似合うってのはわかるのだが、でも「カウンター罠?」ってなるのはトリガーが用意されてないからなのでは、と思うのも事実。
 あのカウンター罠らしからぬ《強烈なはたき落とし》でさえドロー時というトリガーがある以上、カウンター罠を名乗るならこじつけでもトリガーを用意したほうが違和感が少なくなったと思う。確かに公式ルールブックでも「基本的に〜」という文脈がある以上絶対ではないだろうが、皆さんはどう思う?

【講評】
 みんなもっと食わず嫌いしないでいこうぜ!と思うと共に、2桁の参加者の割には狙いが被る傾向が強かったなあと思いました。競合率が高かったのは、

●八百長
●テニスの王子様関連スキル
●バトン
●代打
●オフサイド
●スカウト

といったもの。どれも「このネーミングで効果を考えてみて」となったときに発展させる方向が一つしかないタイプの名前であるためどうしても似たり寄ったりとなってしまい、この段階の審査でごっそり落ちることとなっています。
 次回はフリーに戻してあけっぴろげに、参加者のゆり戻しをかけてみます。ちょっと「アジアン」以来『外しちゃった』かなー(笑)

12月/テーマ:フリー

最優秀賞 選定棄権

 参加者も多く、見所があるカードも多数散見しましたが、その中で「これだ!」と思えた飛びぬけた一枚を選べなかった月でした。フリーらしく発想が豊かに現れていたのだけども、斬新な効果はテキスト的に穴が出やすく、その方向性で攻めてきた参加者はどうしてもその点をさばききれなかった印象です。
 狙いは正しかったのだけれども、審査側が一人である今であっても見つかってしまうようなバランス崩壊、デバッグのあるテキストを修正し切れなかったのはもったいなかったなと思います。
 なお、優秀賞候補が3枚あり、そこから突出した一枚を選べなかった月ですので、繰り下げ処置として今月の優秀賞は3枚となっております。

優秀賞

《謳羚の死徒(レイ・ラ・ゼロス)》 闇属性/悪魔族 ☆9 ?/?
効果:手札のこのカードのレベルはフィールド上に存在するカード1枚につき1つ下がる。このカードの攻撃力と守備力はフィールド上の空いているカードゾーン1つにつき200ポイントアップする。1ターンに一度、相手の手札をランダムに1枚選択し、相手フィールド上の空いている魔法・罠カードゾーンにセットする事ができる。
【冬天秤さん(初受賞)】
 各枚数パターンを考えてみたときの最大効率は「場のカードが合わせて5枚の時の『☆4 3400/3400』(☆5 3600/3600も強そうだが、これなら《偉大魔獣ガーゼット》でよくなってくる)。さすがにバランス的に問題はあるが、もしこのようなカードが実在したらある程度計算してカードを伏せられてしまうだろうこと、その点で戦力的に数字が計算しにくいこと、不利になればなるほど使いにくいという汎用性の乏しさ。あとそもそもほとんどバニラ。バランス的に改良の余地はあったとはいえ、発想を高く評価したので優秀賞に選ばせてもらった。
 あと、ちょっとエラッタ的にはランダムに選択した手札がモンスターだった場合ルール上の矛盾が考えられる。一応は任意効果であるため、その場合は相手は選択したカードを公開するにとどめる、とかいった理由はつけられるのだが、この点の補強はもう少ししてもらいたかったところ。
 だが、その点を加味してでも十分魅力的に写った一枚だ。

《魂を削る言霊》 地属性/天使族 ☆3 0/1600
効果:相手フィールド上にレベル4以下のモンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時にこのカードを手札から捨てる事で発動する。そのモンスターを持ち主の手札に戻し、そのモンスターと同名のモンスターを手札・デッキから自分フィールド上に特殊召喚する。このカードが墓地に存在する限り、お互いにそのモンスターと同名のモンスターは召喚・反転召喚・特殊召喚できない。このカードは相手ターンでも発動する事が出来る。
【おひげさん(2か月ぶり2回目の入賞 08.9 08.12)】
 オマージュ元は《魂を削る死霊》《コトダマ》だろうが、それについてはほとんど名前のみを借りた一枚。めいきんぐ審査側として4年超やってきて今改めて思ったのだが、意外なほど即時誘発効果で攻めてきている人は少ないのだ。だからこそ、
ここは上手く料理したら見所があるし、今回この一枚は適格だった。
 「死」と「言」。たった名前を一文字変えて、それに合わせるように全力で効果の調整をしている。ここのところ種族系デッキ等でフル投入される下級モンスターも多いので、こういった「強い《コトダマ》」はありだなーと意識させる一枚。名前的にはオマージュ元が2枚あるが、実際の効果は《コトダマ》一本なので、個人的には《魂を削る死霊》要素も欲しかったところだった。

0812_2_sword《福音の法剣士》 光属性/魔法使い族 ☆7 2700/2200
効果:このカードは表側表示でフィールド上に存在する限り、コントロールを変更する事はできない。相手フィールド上に表側表示で存在する、シンクロモンスター1体をゲームから除外する事で手札からこのカードを特殊召喚する事ができる。
【楊さん(2か月ぶり2回目の入賞 08.9 08.12)】
 実際環境に釘を刺すアンチテーゼ効果、「戦士」系効果に見られやすい『盲信』効果、耳通りがいい素敵な名前。個人的な琴線をがっつりきっちり揺らすお手本のような一枚だった。
 しかし、あくまで定番をなぞっている基盤であるためアピールがしきれなくこの点の天秤は確かに難しいと思う。前々から言っている『いい材料(斬新)で美味しい料理が作れるのは当たり前』との兼ね合いがあることは重々承知している。
 周辺設定含め素晴らしい仕上がりなんだけど、今一歩「押し」が欲しかったなあ。
【ill. しらさん】《小さな悪魔》と比較してのあまりのタッチの違い、本当に同一人物かどうかと思えるのですが、それが同一人物なんですよねー。当初は種族を「戦士」と思われていたらしく、「魔法使い」であることを確認してからは方向転換をなされたそうです。背景は「アニメに置けるシンクロを意味する輪」を、それをアンチする効果ということでの斜線とのこと。決して駐車禁止ではございません。

佳作

《トキ渡りの翼》 風属性/鳥獣族 ☆8 2600/1000
効果:このカードは通常召喚できず、自分フィールド上に存在する鳥獣族モンスター1枚以上を墓地に送った場合のみ特殊召喚することができる。手札を1枚捨てることで、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを手札に戻し、このカードの特殊召喚時に墓地に送ったモンスターを可能な限り、墓地から特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動することができる。「トキ渡りの翼」は1ターンに1度しか特殊召喚できない。
【夏の実さん(初受賞)】
 「時」と「朱鷺」をダブルミーニングさせ、時間を越えて発現する効果。そして公式に《モザイク・マンティコア》という先人の獣がいるため効果設定を非常に飲み込みやすく、バランスも癖のない素直な調整であり使いたくさせる。
 だが、残念ながらそこまでしか響かなかった。根底に《モザイク・マンティコア》があることの功罪か、斬新さで加点が出来ず、個人的に思う「公式の鳥獣カラー」を活かしきってるかと考えればそう思えなかった。必然的に評価ポイントがネーミング一本となってしまったので、この位置に落ち着いてしまった。

《そよ風の通り道》 (通常魔法)
効果:自分フィールド上にモンスターが存在しない時、デッキからレベル2以下の風属性モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力・守備力は0になる。
【イズミさん(初受賞)】
 レベル2以下の風属性。でっかいモンスターが跳梁跋扈する環境においてまさにそれは「そよ風」だし、ステータス補正についても「そよ風」感を出す設定として細かい気配りだ。
 この手の《デビルズ・サンクチュアリ》効果は《緊急テレポート》が代表であり、まだまだチューニングの余地がある領域。
考えを凝らせば他の属性・他の種族に活用できる領域だろう。
 まずは風属性の設定として綺麗に「らしさ」を出してくれた一枚だ。

0812_3_kouyo《紅葉の吹雪》 (通常罠)
効果:自分フィールド上の植物族モンスター1体をリリースする。フィールド魔法を除く、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
【闇太郎さん(2か月ぶり3回目の入賞 05.10 08.9 08.12)】
 先月にも植物族関連カードが入賞したが(《人工芝》)特に種族の好み的な他意はなく、ただ単純に植物族関連オリカが
素晴らしい出来であったことだけであることを補足しておく。
 既に公式で《棘の壁》があるからこそ、こういったカードの登場に期待してしまうし、いわゆる「花吹雪」が邪魔物をかっさらう姿というものが容易にイメージできてデザインは今回の中でトップクラス。
 あと、細かい配慮だが、「フィールド魔法を除く」に思い切り賞賛を送りたい。花吹雪は地面をえぐったりしない。《大嵐》や《邪神の大災害》とはジェントル精神が違うのだ。この文節群を除かれるときっと記憶には残らなかった。ここに、投稿者様の機微が伺える。
【ill. 霞卯月さん】ティタニアルが《メタル・リフレクト・スライム》と《くず鉄のかかし》をぶっ飛ばすお姿。とてもやっかいなトラップを排除するそのイラストは 植物族版《大嵐》たる効果に絶妙にマッチしています。  植物族の首領はいまや《椿姫ティタニアル》。その姿を中心に据え、最低限かつ重要なセンテンスを含み切ったこのイラストには「これこそ」という 言葉をかけざるを得ないですよね。

0812_3_toge《棘の精霊》 風属性/魔法使い族 ☆4 1600/0
効果:このカードは自分の墓地に存在する「ニードルワーム」1体を自分のデッキの一番上に戻し、特殊召喚することができる。このカードの特殊召喚に成功した時、相手のデッキの上からカード5枚を墓地に送る。このカードがフィールド上に存在する限り、相手のカードがデッキまたは手札から墓地に送られる度に相手ライフに500ポイントダメージを与える。
【Gankiさん(8か月ぶり2回目の入賞 06.8 08.12)】
 こちらの古参精神をとっつかまえてゴリゴリ揺すってくれた、にやりとさせる効果合成カード。その設定は《魔力の棘》と《ニードルワーム》が恩恵に置かれていて、その「ブースターで統一してきた」点について、心が凄いセピア色に……。
 《ニードルワーム》で5枚、サルベージしつつの出たとき効果で5枚、サルベージした《ニードルワーム》でもう5枚。綺麗につながればここまでのデッキデスが期待できる。まあ……うん……実用性はそれほどではないとしても、時を積んだ人であるほど使ってみたくなる効果ってのは魅力的な分類だと思う。なにげに《魔力の棘》オマージュ効果も、《魔力の棘》そのものより適用範囲が広がって強力に。構築しだいで活用方法が広がりそうで夢がある。
【ill. 五十嵐さん】うってかわっての超グロ方向性。五十嵐さんはかねてより「このタッチで燃える絵を描く」ギャップの持ち主でしたが、 ここまで直線的にモンスターの方向性は初めてかもしれません。『”棘の精霊”本体は、画像上半分の布きれを纏ったサボテン状態の魔術師(魔法使い族)で芋虫は《ニードルワーム》を凶暴化させたイメージです。 本体の色合いは一応棘っぽいものにしたつもりです。』とは五十嵐さんの談。棘と芋虫という絡めるのが難しい2つのセンテンスを見事に混合してくださいました。

特別賞

0812_4_princess《ライトロード・プリンセス ピケル》 光属性/魔法使い族 ☆7 2800/0
効果:「ライトロード」と名の付くカードの効果によって自分のデッキからこのカードが墓地に送られた時、自分の墓地の「裁きの龍」1枚を手札に加える。自分スタンバイフェイズ時、自分の墓地に存在する「ライトロード」と名の付くモンスターの種類x400ポイント自分ライフを回復する。
【レミエルさん(初受賞)】
 狙いが露骨であるし、固有名持ちテーマカードはネーミングに工夫を加える余地が無いためどうしても上位には推せない。だが、それを考慮してでも入賞させたくなる上手い効果だったので特別賞とさせていただきました。
 《裁きの龍》をサーチする効果のためにはデッキから落ちることを前提とするので、複数枚投入をしたい。だが、上級であるため考えなしに複数枚投入も気が引ける。そのあたりの葛藤がある中さらについているライフ回復効果で複数枚投入を推奨している。そうまでしておいて最上級2800と絶妙に微妙。ここまで色々な価値観がシーソーバランスをつついていると、これこそ本人の構築論によって投入枚数が分かれそう……と「オリカの目指すところ」として至上レベルです。
 そのうえで、単純に強力ではあるんですよね。ただ、周りのライトロードがかなり強いため、そこを押しのけるには迷わせるというレベル。うん、凄いいい仕事の一枚だと思いました。(めたぽ)
【ill. 天龍さん】これまたギャラリー都合で縮小するのが凄いもったいないイラスト。原寸は2000px四方で描かれているので、このサイズでは見えきっていない細部へのこだわりも多々見受けられます。ピケルな「記号」を残しつつも幼女要素を一切排除しガチンコで狙いに来た美麗キャラクター造形。特にピケルの首周りの陰影・《裁きの龍》部分の陰影も含め感嘆の言葉しか出ません。そのうえなお背景も相当なものとなっている、と……恐ろしいクオリティです。

【講評】
 みんなやっぱり縛られないフリーが好きなんだなーと思うと共に、やはり修羅の道。参加者の多さから苦汁を舐めた方も多いでしょう。
 最上部コメントでも述べたとおりやっぱりデバッグの甘い方が惜敗している印象です。今回の入賞作については特に《レイ・ラ・ゼロス》がもう少し数字を練ってくれたら最優秀にしたかった……そういう面白いカードでした(多分ですが、フィールド魔法部分を考慮し忘れたから?)。
 あとは単純にテキストテンプレートであったり、誤表現であったりをしっかり見直してから投稿してくださいね。明らかな誤字は入賞の際に訂正はするとはいえ、基本的にそういった違う表現がされているカードは微々たる印象悪化を引き起こす恐れがあります。特に斬新な効果を作る際は結構日本語が崩壊します。それは私もオリカ作成を小説でしてきたのでよくわかります。わかるからこそ、是非皆さんも気をつけていただきたいところです。

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