オリカ☆めいきんぐ(2010年)入賞作品

1月/テーマ:実在カードと同名

最優秀賞

1001_1_boss《ボスラッシュ》 (永続罠)
自分フィールド上に表側表示で存在するレベル5以上のモンスターが破壊された時、破壊されたモンスターより高いレベルを持つモンスター1体を自分のエクストラデッキから選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功した場合、相手はカードを2枚ドローする。

【ヘッドジャグラーさん(3か月ぶり5回目の入賞 06.5 06.8 06.12 09.5 10.1)】
実直に上手いと感じた一枚。やっつけてもやっつけても巨大シンクロが途切れなく出てくるさまは《ボスラッシュ》の名にふさわしいし、しかし相手としてもやっつければやっつけるほど単純な手札の面ではマッチポンプみたいなもので、相手に不利を押しつけるわけではない。しかし除去を数多く用意できないのならこの「ラッシュ」は驚異的。少しテキストには難は残ると言えど、大味ななかに見える危ういバランスと観戦受けするアクティブなキャッチボール効果。オリカでしかなしえない面白い一枚だ。
【ill. こがらしさん】「作画に当たって、相手プレイヤーへの”威圧感”が重要だと思ったのでエクストラデッキにお住まいの強面の方々に出演していただきました。後ろのシルエットは、特定のモンスターを描画したものではなく『後にもまだまだ何かが控えている』事をイメージした背景として描いてました。 」……というコメントを頂き、その絵には効果のエッセンスが多々含まれていることがわかります。しかし、普段の作風からみれば本当びっくりだと思いました。

優秀賞

1001_2_yorumu《ヨルムンガルド》 地属性/爬虫類族 ☆10 ?/?
「ヨルムンガルド」はフィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。このカードが表側表示で存在する限り、お互いの使用されてないモンスターカードゾーンは使用不可になりこのカードの元々の攻撃力と守備力は、この効果で使用不可にしているモンスターカードゾーンの数×500ポイントになる。また、フィールド上に表側表示で存在する限りこのカードは2回まで破壊されない。

【hunmerさん(2か月連続2回目の入賞 09.10 10.1)】
実在カードの名前負け感がトップクラスだったカードを昇華。方向性は《邪神アバター》とかそっち系な感じだ。深読みしすぎかもしれないが、実在するヨルムンガルドの神話は「周りすら食らい尽くす暴君」であるため、他の領域を封殺する効果も実に適切だし、神話ラグナロクにおいてのヨルムンガルドの扱いは「雷神トールに3度投げつけられて倒される魔物」。……いや、これ間違いなく深読みなんかじゃなく想定通りの思考なんだろうな。
神話を追ってなお適正なバランスに仕上げつつ、テーマも活かす十二分の仕上がりなのだ。
【ill. 天龍さん】実在カードの名前負け・イラスト負け感が強かったそれをオリカで昇華。異空間から平穏な世界に召喚される様は世界の終末にふさわしい感じの「怪物」となっています。背景をいじり倒すことに腐心されたということで2つの世界の表現が特に緻密に表されてる一枚です。

1001_2_eat《魂喰らい》 闇属性/魚族 ☆9 1200/0 【融合】
「超古深海王シーラカンス」+「魂の解放」
自分フィールド上に存在する上記のカードをゲームから除外した場合のみ、エクストラデッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードは必要としない)。このカードはエクストラデッキ以外からの特殊召喚は出来ない。1ターンに一度、自分のエンドフェイズに発動する。お互いの墓地に存在するモンスターカードを全てゲームから除外し、除外したモンスターの数×200ポイント攻撃力がアップする。

【シキさん(2か月連続2回目の入賞 09.10 10.1)】
先に言うなれば大元の発想(魔法との融合)は決して斬新ではない。数多のオリカコンテストや小説で見てきている発想分類だった。だが、それ以上に設定上の発想がイカす一枚だと思った。シーラカンスが肉食的な怪物である光景、それが海に迷い込んだ人々を食らい尽くす姿が容易に想像され、魔法融合というオリカ発想に感じるドラマ性としてはこれまで見てきた中で群を抜いていた。
【ill. 五十嵐さん】「深海を支配していた王様は、過去の栄光が忘れられずにおりました。当の昔に体は朽ち、地位も失ってしまっておりましたが、一度登ってしまうと降りられないもの。彷徨える霊魂を見境なしに取り込んで無理やり生を繋ごうとしておりますが、穴の開いた風船にはどれだけ空気を入れても膨らむ事は御座いません。」……というコメント。情景が荒々しく伝わり、五十嵐さんの『使い分けるタッチ』の一つが大胆に描かれている一枚となっています。  オリカのテキストからの《超古深海王シーラカンス》、《魂の解放》のセンテンスがじっくりと描かれている、丁寧な料理作品です。

佳作

1001_3_earth《地縛霊》 闇属性/悪魔族 ☆4 1500/1200
「地縛霊」はフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。フィールド上に表側表示でフィールド魔法カードが存在しない場合このカードを破壊する。相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。

【メテオラスさん(初受賞)】
なぜか競争率が高かった《地縛霊》シリーズの中で(おそらくは地縛神の存在があったからだろうが)、その中で一番堅実に仕上がっていたと思った一枚。だけど競争率も高く、発想の方向性もみな同じようなものだったのでやはり佳作で止まってしまった。地縛神的にフィールドを縛ることで1500ダイレクター+αを達成させるバランス調整とイメージの組み立て方が上手くできあがっている一枚だろう。
【ill. J.Eさん】難題揃いの「実在カードと同名」界から頂きました。元祖の《地縛霊》の部分を地縛神に変えた、シンプルな改変作品ですが、効果のことを考えたら適切かつ狙いもしっかりと伝わるやり方だと思います。しかしJ.Eさんは「1つのキャラクターをフィーチャーする構図」に定評があるなあ。

1001_3_dance《踊りによる誘発》 (フィールド魔法)
表側表示モンスターの表示形式が変更された時、そのコントローラーは裏側表示の魔法・罠カード1枚を選択し強制発動させる。発動タイミングが正しくないカードだった場合、その発動と効果を無効にしてそのカードを持ち主の手札に戻す。

【モリさん(15か月ぶり2回目の入賞 06.7 10.1)】
凄くテキストが怪しく見えるが、しっかりと《おとり人形》のテンプレートに乗っかっていて何も問題が無い一枚。よくよく考えると元祖がおかしい表記だよなあ(笑)
名前と効果のリンクは随一。だが、やっぱり引っかかってきたのがフィールド魔法。試みがわかれども、独眼な観点でいけばフィールド魔法は「土地」的カードと解釈しているためどうしてもしこりが残ってしまった。他の選択肢を取ってもらいたかったなあというのが本音だったかも。しかし、元ネタからの突飛的発想としては今回の一番だった!
【ill. 卯双月さん】エフェクト面の力の入れようが相当であるわけで、躍動感ある仕上がりとなっています。採用は《氷結界の舞姫》、そのセンテンスから「踊り」を持ってきて仕上げられた形となっています。オリカの効果がどちらかといえばコントロール気味であるわけで、分類的にもマッチしていると言える一枚です。残像の表現が渋く目立って、スピード感をかもしていると思います。

《ドッペルゲンガー》 闇属性/魔法使い族 ☆6 2200/200
相手モンスターが特殊召喚に成功した時、このカードを手札から特殊召喚できる。 この効果で特殊召喚に成功した時、相手が特殊召喚したモンスター1体を選択する。エンドフェイズ時にこのカードが表側表示で存在していた場合、選択したモンスターは墓地に送られる。

【夢先案内人さん(初受賞)】
確かにこのカードもそうだ。実在カードの方が訳のわからない効果で、こっちの方が近い気がする!
ドッペルゲンガーは「自分と瓜二つな存在で、見てしまうと自分が死にいたる」的都市伝説があるために、それを見事に再現しつつなバランス。できればもう一声工夫した点が欲しかったが、アイデアを順当に形にしたという点では堅実な発想。佳作に選ぶには申し分ない。

《地殻変動》 (通常魔法)
フィールド上に表側表示で存在するフィールド魔法1枚を破壊する。次の自分のスタンバイフェイズ時に自分のデッキ・墓地からフィールド魔法1枚を選択し発動する。

【な~がさん(8か月ぶり2回目の入賞 08.9 10.1)】
今回の入賞作の傾向は「元々の実在カードがおかしい感じの効果を、正規っぽく書き変えた」感じの効果が多くこれもその一枚。非常にわかりやすい地殻変動イメージを効果に投影しているため、なんでむしろCAのあれが……?とすら思えてくる。
別にオリカ☆めいきんぐは奇襲でないといけないわけではない。今月はテーマがテーマだからこそ、「実在カードの変な効果を矯正してみる」だけで面白い効果が出来上がることが多かった。それに上手く絡んだ人が今回は入賞をかっさらい、この《地殻変動》も「王道」ながら新鮮だった。

《ジャッジ・マン》 地属性/戦士族 ☆6 2200/1500
以下のカードを手札から1枚捨てることで、それぞれ以下の効果を適用する。この効果は1ターンに1度しか発動できない。
●「地獄の裁判」:ライフポイントが少ない方のプレイヤーのコントロールするモンスターを全て破壊する。
●「コート・オブ・ジャスティス」:ライフポイントが少ない方のプレイヤーは、デッキからカードを3枚ドローする。

【い~さん (2か月連続8回目の入賞 05.7 05.10 06.5 06.7 08.2 09.1 09.10 10.1)】
この度のテーマで名前攻めをしてくる人は少数派であったため、上手くこちらのニーズを抑えてくれたなあと思う一枚。「裁判」のネームカードである実在カードを弄りつつ、「地獄→破壊」⇔「正義→ドロー」という対比の設定は実にしっくりくる。一つの「裁判」というテーマで真逆の名前を見つけないとこの効果設定はできなかったろうし、そうすると発想と記憶の勝利。多分このカードに限らず、色々な領域でどんなカードがカテゴライズされるか、思いを巡らせて遊戯王を遊んでいる感じがするなあ。
い~さんは佳作コレクター。入賞履歴が優秀1の佳作7となっている。こちらも別に狙っているわけじゃないんだけどなー(笑)

【講評】
料理の仕方が前回の「実在カードと同名」より洗練されている感じがして、上記で触れている「王道攻め」の見事さが際立って入賞作に現れている感じです。全体的に言えることなんだけれども、選ぶカードのチョイスが素晴らしかった。特に昔のカードをチョイスされた方については「このカードをそう使うか!」みたいな唸らされる効果が多く(それに関しては《ヨルムンガルド》が随一でした)、改めて皆様のボキャブラリーに敬意を表する限りです。
非常に優秀な効果が生みでやすいテーマであるため、今後もいつか使うかもしれませんね。

3月/テーマ:フリー

最優秀賞

1003_1_tamayo《玉依姫尊(タマヨリヒメ)》 光属性/魔法使い族 ☆4 1200/500 【ユニオン】
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして自分フィールド上のスピリットモンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、装備モンスターはエンドフェイズ時に手札に戻る効果を発動しなくてもよい。(1体のモンスターが装備できるユニオンは1枚まで。装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。)

【アイスさん(6か月ぶり3回目の入賞 05.12 09.1 10.3)】
神話的元ネタ、名前と効果のリンク、スピリットとユニオン双方を見た調整。どれを取っても見事なオリカと感じた一枚。
スピリット的引用でありながらスピリットでなく、他の分野と合成して調整すると言うやり方そのものがなかなか斬新で、ユニオンを「依りしろ」とする発想も神秘的で趣深い。総じて日本神話ネタのオリカを創生する際はスピリットに意識を向きがちだが、良い感じに裏切りを見せてくれた一枚。既存ギミック調理の最高峰と評価させて頂いた。
【ill. 卯双月さん】卯双月さんは相当研究される方。まずは見解を引用すると「タマヨリヒメは複数いるらしく、名前の文字からすると日本書紀に登場する神様の方かと思ったのですが…。効果を見ると、固有名詞ではない神様に嫁ぐ巫女さんを神格化したものに近いのではないかなと思いました。子孫繁栄・豊穣の神様なのでそれらしい田園風景にスピリットの背景っぽいものを重ねてます。」とのこと。私も選定の際に神話背景を考察はしましたが、絵にするとなるとさらなる深度が必要となってきます。良い解釈と、的確な判定だと思います。

優秀賞

《オリファルコン》 水属性/鳥獣族 ☆2 400/1900 【ユニオン】
フィールドが「海」の場合、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に自分の墓地またはフィールド上のこのカードを、装備カード扱いとして自分フィールド上の水属性モンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。このカードが装備カード扱いになっている場合、装備モンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。(1体のモンスターが装備できるユニオンは1枚まで。装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。)

【暗黒のひとくいばこLv.3さん(初受賞)】
偶然上から2枚ユニオンを受賞させてるけど、特に何かあったわけではないのです。
悔しいけどナイスネーミング。この手の洒落な名前ははまればぐっと琴線に来るが外すと切ない諸刃の剣。これに関してはがっちりとはまる感触だった。また、ユニオンには「装備」というイメージがあるからこそ、「オリハルコン」という物質的印象を与えるのは良い感じにイメージしやすく、物質兼動物……既存の創作物でいけば「ソーディアン(テイルズシリーズ)」とか「ラグナロク(小説:ラグナロク)」とかの発想とリンクさせやすい。
総じてユニオンで入賞した2枚はファンタジー脳の勝利といったところ。

《儀式の手ほどき》 (儀式魔法)
手札・自分フィールド上から、レベルの合計が4以上になるようにモンスターをリリースする。自分フィールド上に「儀式魔人トークン(悪魔族・闇・星4・攻1800/1400)を儀式召喚扱いで特殊召喚する。(このトークンは儀式モンスターとしても扱う)

【カモさん(3か月ぶり2回目の入賞 09.8 10.3)】
儀式魔法でありながら、儀式モンスターを必要としない。少なくとも私が見た中ではこの発想は過去見てなかった。見たとして、それを入賞できる発想まで高めたという点では初めての一枚。
出せるモンスターのパフォーマンスはよくないが、自己完結できるという点では相応のバランス。簡潔に、簡易に終わらせるという点では「手ほどき」であるし、ひねらないトークン名も手ほどきにマッチしている。ちょちょっと世界観調整をしたら普通に商用カードに通じてきそうな一枚だ。

佳作

《金切り声のピクシー》 光属性/天使族 ☆4 1400/1000
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分のライフポイントを回復する効果は、相手のライフポイントにダメージを与える効果になる。

【メテオラスさん(2か月連続2回目の入賞 10.1 10.3)】
《シモッチによる副作用》的視点のカードだが、上手く既存効果をすり抜けている良い練り込み。この手の堅実な練り込みであると勝負どころとなるのが周辺設定。ピクシーの名を出したのは決して気まぐれじゃないと思えるのは、伝承に『チェンジリング』があるということ。入れ替えると言う発想が実にピクシーに合致し、上手く仕上がってる一枚。

1003_3_create《創造のヘカテー》 光属性/天使族 ☆4 1700/1000
自分は手札からカウンター罠カードを発動することができる。

【南瓜さん(5か月ぶり4回目の入賞 06.8 09.1 09.3 10.3)】
何も言うまい。そもそも審査員めたぽはカウンター関係の天使が大好きです。
だけれども、だからこそその領域を攻めてくるのなら丁寧に作ってほしい。そのためには神話のチョイスの効果の面でブラッシュアップは必要となってくるし、はっきり見えている攻めどころだからこそ、ある程度の完成度は前提となってくる。カウンター罠は手札から発動されても悪だくみにはなりにくいし、堅実な仕上がりだと思う。堅実すぎて流石に佳作どまりではあったけれども(笑)
【ill. 雪加(旧:猫目石)さん】結晶天使を得意とされているということで、選択の際に即決で選んで頂いた一枚となります。結晶天使は構造上面倒くさかったり細かかったりといった、非常に癖のある一枚であるため、そういったカードをさらっと描きあげられるお力というのは絵が描けない管理人をもってして「凄いよな……」と思うことしきりです。

《架空爆弾》 (通常魔法)
セットされたこのカードが相手の効果によってフィールドを離れた場合、相手ライフに0ポイントダメージを与える。このカードの効果が無効になった場合、相手ライフに2000ポイントダメージを与える。

【悪夢さん(初受賞)】
可能性は感じるけど、悪だくみするほどではない通常魔法の定め。これほど意味不明なのだからもうちょっとはっちゃけてみてくれてもというのが審査観点の総意となる。実にオリカらしい変態発想だからこそ、もうちょっと条件の緩和や大味さを増すなど「色」をつけても良かったと思う。でも、この発想は見逃したくなかった。そういう観点で選出した一枚だ。

《対岸の青い薔薇》 水属性/植物族 ☆1 0/0
チューナー:フィールド魔法が破壊され墓地に送られた場合、手札または墓地から特殊召喚することができる。このカードの特殊召喚に成功した時、お互いの墓地からフィールド魔法を全てゲームから除外する。このカードのレベルはこの効果で除外したカードの数だけアップする。

【たくあんぱんさん(初受賞)】
植物族は「何かの拍子に召喚される」効果が多く、上手くカラーに乗っけてきた一枚。
いかに《スポーア》と差別化するかが肝となってくるのだが、それを上手く考えだし、フィールドという「地」への干渉によって動き出すカードは植物として非常に自然。単に何かのフィールドがあり、《対岸の青い薔薇》が墓地にあるだけで相手としてはフィールドの破壊を嫌がるだろう。別に植物といった観点で無くてもフィールドを主とするデッキなら対応力は高いわけで、構築意欲を高めてくれる上手い仕上がり。

《仮面舞踏会(マスカレード)》 (フィールド魔法)
フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターはカード名を「マスカレード」として扱い、レベルが4になる。

【YOUさん(初受賞)】
超お洒落やないかこの発想(笑)
なるほど皆があの「白粉の無表情な仮面」をつけてて素性がわからない。だからこそ名前は隠匿されてしまうし、すべてが平等。正直体格とかで正体はわかっちゃうのがモンスターの性だけど、細かいことは気にしない。《コトダマ》等名前に関与するギミックも多々あるため、単なる遊び観点で無いのが面白いところ。
細かいことをいえば、確かに仮面舞踏会のルビは「マスカレード」。だけど、その参加者ってのは「マスカレード」とは少し違うような気がした(あくまでもマスカレードは「会」の名称なため)。お洒落カードはえてしてこの辺を突っ込みたくなってしまうものなのです。

【講評】
参加者が一気に増え、それに伴って選びがいのあるカードも増えました。特にモンスターが今回は優良であり、特にユニオンを2枚選んだというのは初めてかもしれません。外国神話から日本神話からオリジナル発想まで跳梁跋扈した月となりましたが、基本的には優秀なカードを素直に上から選ぶだけで、いろんな分野から配分しようなんて意図はありません。なので偏ることは今後もあるはずでしょう。
今回入賞できなかった方もくじけることなく、自分の好みの分野を突き詰めてみたらいいと思います。いずれ通じると、思います。

5月/テーマ:ヨーロピアン

最優秀賞

1005_1_loreley《大運河の妖女ローレライ》 光属性/魔法使い族 ☆8 2700/1000
このカードのアドバンス召喚に成功したとき、このカードに魔力カウンターを2個乗せる。魔力カウンターが4個乗ったこのカードをリリースすることで発動する。自分の手札及び墓地から、「大運河の妖女ローレライ」を可能な限り特殊召喚する。この効果は自分のターンのバトルフェイズのみ発動できる。

【quillaさん(5か月ぶり2回目の入賞 09.5 10.5)】
テーマの要素は程ほどに、効果の面での精査が光る一枚。
自分のバトルフェイズ限定というのが非常に新しいし、一撃性は高い。そうはいってもアドバンス召喚含め相当な下準備が必要であり「壊れていない」調整が光る。この効果分類は少なくとも初めて見たし、作りこみが非常によくできている。今回の入賞作で頭一つ飛び抜ける形として最優秀賞に選んだ形となった。
【ill. 卯双月さん】卯双月さんとはサイト構築の関係でよく直に打ち合わせをするのですが、その際に「一からオリジナルキャラ作るの難しいよね?」→「うん、でもやる」という疑惑のキャッチボールのすえオファーを出させて頂いた一枚です(笑) ファンタジー要素をたくさん含む一枚ですが、基本的には「ローレライ伝説」を根底として、それを遊戯王色に明るく色づけした一枚となっています。『水族に近い雰囲気』『魔法使い族への着地』『ローレライ伝説』の融合が見事にされている一枚でしょう。

優秀賞

《桂冠詩人》 地属性/魔法使い族 ☆4 0/2000
自分フィールド上のレベル7以上のモンスターが墓地に送られた時、そのモンスターを除外する。この効果を発動したターンのエンドフェイズ時、自分はデッキからカードを2枚ドローする。

【リバーさん(3か月ぶり5回目の入賞 05.11 06.8 07.10 09.10 10.5)】
桂冠詩人とはギリシャ・ローマ時代の高官詩人の総称。冠婚葬祭に関し詩を献上したといういわれを考えれば、「葬」にスポットライトを当てた効果は物語性に富んでいて素敵。『ヨーロピアン』というテーマそのものがどうしても「歴史」か「神話」拠りになってしまうため、それを上手く活かしつつ使ってみたくなる効果に仕立て上げた技が光る。

《沼地のウジ虫チーズ》 水属性/水族 ☆3 500/1100
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。このカードを融合・シンクロ素材としたモンスターがフィールドを離れた時、自分の墓地からレベル4以下の昆虫族モンスター1体を特殊召喚する。

【たくあんぱんさん(2か月連続2回目の入賞 10.3 10.5)】
競合率が高かったのは意外にも「感染病」の視点。視点が視点だけにどう活かすかが焦点となりバラエティに富んでいたのだが、一つ差をつけていたのはこれと感じた。『割と原型を保っていない』からこその融合オールマイティ、死骸から昆虫が飛び出る図共に上手くできているなと感じた。だが、まあ……絵は期待しちゃいけない一枚になっちゃってるなあ(笑)

佳作

1005_3_oracle《天啓の少女騎士(てんけいのフィール・シュヴァリエ)》 光属性/戦士族 ☆7 1500/1600 【融合】
《守護天使 ジャンヌ》+《闇霊使いダルク》+《クィーンズ・ナイト》
このカードがフィールド上に存在する限り、自分フィールド上のモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。自分フィールド上のこのカード以外のモンスターはカードの効果によって破壊されない。

【南瓜さん(2か月連続5回目の入賞 06.8 09.1 09.3 10.3 10.5)】
徹底した「ストーリー」に幅寄せした一枚。ストーリーものは「上手く出来ていて当たり前」の一枚であるため、入賞ラインもなかなか厳しい物となってしまうのだが、こちらの琴線にはハマった。作り的に上手く物語を体現している、そしてその完成度もいいと判断しての一枚。
融合ってのをどう判断するか。絵を描く人の考えを、見てみたい一枚だなー。
【ill. うぃざーどさん】うぃざーどさんをお呼びしたきっかけは、pixiv及びサイト掲載の絵からの温かみのあるタッチに感銘を受けたこと。リクエストという形で描画素材を募集されていたことも手伝い、このような形で来て頂くこととなりました。
「物語性」溢れるカードであることから、融合素材を活かした造形を要求される一枚でした。それを丁寧に生かした身なりは、《闇霊使いダルク》《守護天使 ジャンヌ》《クィーンズ・ナイト》の要素をどこかしら掴み取れるでしょう。
方向性はばらばら気味である3枚であるだけに、コスチュームの取捨選択に苦労されそうですが、素晴らしいまとめ上げです。

《静寂と癒しのエーゲ海》 (フィールド魔法)
青い海、輝く太陽、心地良いそよ風、伝統と神話が生きる麗しの土地…エーゲ海。昼時には太陽に照らされ青々と煌めき、夕暮れ時には溜息が出るほど美しく夕日に染まるエーゲ海。現実から隔絶された癒しの空間はここにあり!

【闇の福音さん(3か月ぶり2回目の入賞09.10 10.5)】
そりゃはっきり言って二度目はないよ! ただもう単純にセンス勝ちの一枚と唸るほかないでしょう。
これまでの作品で同じ視点のカードが無いということは無かったのだが、これってやっぱり本文が惹きこませる文章になっているかってところ。ずずいっと旅行パンフっぽささえ感じさせるその文章は「アリ」と判断させるに十分のものでした。

《免罪符》 (通常魔法)
1500ライフポイントを払って発動する。このカードを発動したターンにカウンター罠の効果によって破壊されたカード一枚を自分の墓地から選択して手札に加える。この効果で「免罪符」は選択できない。

【クリードさん(初受賞)】
主に《神の宣告》を想定してみるとその物語性が際立つ感じ。単純にカウンター罠は『パーミッション(許可)』という言葉にもあるように「赦す」ことが根底にある。そうなると免罪という響きでのこの効果はしっくりくるし、言わずもがなテーマにも合致してくる。
堅実ではあるが、ちょっと地味だった。難をつけるとすればその程度なんだよなあ。

《流行前夜》 (通常魔法)
自分のデッキから「黒蛇病」1枚を手札に加える。

【うぃなさん(初受賞)】
やっぱり頭に残るストーリー視点。シンプルだからこそどうこう突っ込みがいの無い一枚だが、既存のカードとの絡め技・テーマを活かしていることを考えての入賞。この手のカードは「素直なテーマ解釈」「名前」にかかってくるとはいえど、開催月によればこういったカードを差し込む余地がないときもあったりして、タイミングを選ぶ必要があったりはする。

【講評】
思考としては割と「ファンタジー」寄りな作品が多いとは思いました。ただ、ヨーロッパはそういったものが溢れている地域であるのでその発想自体はアリ。ただそのテーマに「振りまわされた」人は憂き目にあい、意識して作った人が残った……そういう風に受け止められるひと月だった印象です。新規テーマであったこと、過去も難題であった「地域」テーマであったため参加者が伸び悩んだのが残念でした。わかっていたこととはいえ、踏みいってほしかったなあ。

7月/テーマ:フリー

最優秀賞

1007_1_santa《殺戮のシェンダンラオレン》 地属性/戦士族 ☆4 1200/300
このカードが召還に成功したとき、相手はデッキからカードを3枚までドローすることができる。この効果で相手がドローしたカード1枚につき、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手は自分のターンのエンドフェイズに手札を1枚墓地に送る。

【梨花さん(初受賞)】
どうやら「シェンダンラオレン」はサンタクロースを意味するらしい。名前からのリンクとしては確かにギフトな要素はあるけれども、決して『心優しい』サンタクロースでなく、マッドな感じがにじみ出る。
効果のバランスを良質と感じた。3枚ドローさせれば攻撃力は3300。さすがにそこまでは避けたいだろうし、いっそのこと1枚とか、ひかないとかいう選択もありうる。でも、そうすれば生き残らせてしまえばやっかいな装置となる。引けば殺されるかも、引かなければなぶり殺されるかも。その時に応じての二面性が面白い。
【ill. yumeさん】普段の4コマやメニュー絵とは裏腹に、めいきんぐでのチョイスは割と「ボス」に拠っている印象を受けるyumeさん。名前と効果のリンク性が薄めだった一枚ですので、どっちを優先するか悩むところですが、どちらかといえば名前拠りに仕上がっています。以外と「シリアス絵」ってのが少なかったりするので、今後の展開でその辺りがカバーされていくかも?

優秀賞

1007_2_peruse《冥(くら)きペルセポネー》 地属性/天使族 ☆5 2100/1800
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手のカウンター罠の発動を無効にする度に自分はデッキからカードを2枚ドローする。
また、相手がカウンター罠の発動に成功するか自分のカードの効果を無効にされた場合、このカードを破壊する。

【シキさん(3か月ぶり3回目の入賞 09.10 10.1 10.7)】
言っておくけど、義務感とかで『神話カウンター』ギミックを入賞させてるわけじゃないからね! 琴線との噛み合い!
ペルセポネーはデメテルの娘。ここで『傾向と対策』攻めをする人にはピンと来てほしいのだけれども、デメテルの娘ということはアルテミスとも深いつながりを持つ。遊戯王の『神話カウンター』を語る上で欠かせないアルテミスとの関係性を考慮すれば効果も想像しやすい。
あとは「よくできた調理」。神話カウンターの軸をぶれさせずなお目新しい効果としている。神話の背景から見ても「破壊」を効果に取り入れることは自然で上手い試みと言える。
【ill. 新谷つしやさん】もはや活躍はお馴染なところがある、サークル「めいぽ亭」の一員、新谷つしやさんです。モンスターの描写力、ポーズ等構成、そして背景。総合力はもはや見事なものをお持ちであり、裏方でのオファーが成功したとき超嬉しかった!
下半身と右腕、いわゆる結晶部分に尽力されたということで、効果からも見られるカウンター天使の要素に踏みこんできた形となっています。とてつもなく「地属性・天使族」とは思えないナリですが、『冥(くら)き』モンスターだから、裏切ってきてもいいのですよね。

《ツギハギだらけの盾》 地属性/戦士族 ☆4 100/2500
このカードは戦闘によって破壊されない。守備表示のこのカードが攻撃を受けた時、このカードの守備力が攻撃したモンスターの攻撃力より低いならば、その数値だけ戦闘ダメージを受ける。このカードとの戦闘によって戦闘ダメージが発生した場合、このカードの守備力は500ポイント下がる。

【スクラップ・トリトドンさん(初受賞)】
アイデアに凄く斬新さを感じた。守備モンスター側に貫通『される』効果をつけるということは初めて見たし、それを含めたうえでメリット効果を調整しているのが面白い。
ただ、ちょっと名前が実直すぎたかなあと思うところも。せっかく切り口豊かな効果を作られたのに、ちょっと名前で損をしているかもしれない。名前にぐっとくるものがあれば、また効果でインパクトがもっとあれば最優秀賞に選出したかったレベル。

佳作

《オーダー・メイド》 光属性/天使族 ☆4 0/0
このカードの召喚・特殊召喚成功時、100の倍数のライフポイントを払う事で(最大2000 まで)、払った数値分このカードの攻撃力・守備力をアップする。1ターンに一度、500ライフポイント払う事で次の効果から1つを選択して発動する。
●このカードの属性または種族を変更する。
●このカードのレベルを1つ上げるか下げる。
●このカードがチューナーではない場合はチューナーとなり、チューナーである場合はチューナーではなくなる。

【リバーさん(2か月連続6回目の入賞 05.11 06.8 07.10 09.10 10.5 10.7)】
メイドという言葉での言葉遊び。もちろんかかってくるのは小間使いな意味でのメイドになっている。とはいえども、この言葉遊びは元祖オリカ☆めいきんぐ(Cut&Shuffle分)で《メイドの土産》が通ってきている道なので、あまりとやかく言うのもマナー違反なのかなとも思う。
「オーダーメイド」の名を裏切らない自分好みのカスタマイズ。マスターの命令に従って大体の命令をこなす……ゴクリ……!

《トラップ・パニック》 (通常罠)
自分の墓地に存在する罠カードを3枚選択して発動する。選択したカードの中からランダムに手札に加え、残りのカードと墓地の罠カードを全て除外する。

【チルスさん(初受賞)】
非常にカードゲームな視点で作り上げられた丁寧な一枚。墓地に3枚ないといけないことから意外と条件は厳しいし、達成したからといって決してアドバンテージ的には得ではない。あくまで回収の一手にとどまるからだ。
ただ、そういうのを活かすデッキを作りたくなるのがビルダーの性だし、オリカとしてその発想をさせるのは見事の一言。ランダムに選び終わったカードを除外することによって「元の場所に戻さなくてはいけない」的なルールを回避した調整も渋い。

《低温火傷》 (永続魔法)
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、通常魔法・通常罠の効果によって発生する600ポイント以下の効果ダメージは800ポイントダメージになる。

【theuさん(11か月ぶり2回目の入賞 08.9 10.7)】
《火あぶりの刑》が低温火傷という解釈は度肝を抜かれるけど、そういう皮肉な意味を込めてアリな効果。主に《ファイヤー・ボール》や《雷鳴》といったスタンスのカードを詰め込めば全部が《昼夜の大火事》になる。それでも微妙っちゃ微妙と言われたらそうなのだが、デッキのほとんどのカードがそれに化けるとなれば意外と怖い。なんてったって極論、10発撃てば勝ちなのだから。
オリカのスタンスとしては面白い一枚だと思う。

《天よりの追放》 (永続魔法)
闇属性・悪魔族または闇属性・天使族モンスターをアドバンス召喚する場合、光属性・天使族モンスター1体で3体分までのリリースとする事ができる。

【ティーアさん(8か月ぶり3回目の受賞 05.11 09.1 10.7)】
こういうストーリーを妄想させるタイプのカードは好き。実用性としては疑問が残れども、絵面としての想像のしやすさ、ファンデッキの組みやすさとかの点で考えれば完成度が高い。ただ、よくこの場所で挙げている苦言だが名前的には永続らしくない。もうちょっと「装置的」「フィールド的」設定にしてもらえればさらにしっくりくるのでは、と思った。

【講評】
申し訳ないけど、ちょっと物足りなかったかなーと思うところもありました。「これは!」と思うカードももちろんいっぱいあります。ただしその『キュピーン!』と来るアンテナ具合については他の月よりちょっと弱かったかもしれません。
そりゃまあこんだけやってれば審査基準もインフレするし、アイデアも枯渇するよねえ! とは勿論思います(笑) 次もフリーでお付き合いくだされば!

9月/テーマ:フリー

最優秀賞

《我が名を盾に》 (速攻魔法)
手札のモンスターを1枚相手に見せることで発動する。相手の罠カードの発動を無効にし、それを破壊する。相手は手札から、見せたカードよりもレベルの高いモンスターを見せる事でこのカードの効果を無効にする事ができる。

【Azureさん(初受賞)】
覚えが深いところではつい最近にあった《スカルドレイン》のような方向性の、アレンジ・パロディ。この手の創作はいかに上手くパロりつつも、親父ギャグ臭くしないように、なお効果も気を配らなければいけないと言う実は結構綱渡り。
破壊効果の多い罠をかいくぐるように「名を盾にする」効果。相手も意地を張れば打ち消してこれる、見せるだけなので負担はそこまで多くなく(ただし、自己ピーピング)、デッキ構成によれば相当軽くことをなせるというオリカの魅力の手本の塊なのだ。
今回一つ飛び抜けた出来という評価を下したいなあ!

優秀賞

《はたき落とし穴》 (カウンター罠)
相手がデッキからカードを手札に加えた時に手札を1枚捨てて発動する事ができる。相手は手札に加えたカード1枚をそのまま墓地に捨てる。この効果で捨てたカードがモンスターカードだった場合、そのカード以下の攻撃力をもつ相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。

【カモさん(3か月ぶり3回目の入賞 09.8 10.3 10.9)】
発想としてはそこまでの斬新性はないかな?だけど、丁寧に作品として調理した感じが見て取れて素直に効果が頭に入った。これについては名前を上手くやった感じがあるかなあと。一瞬思いつきはすれども、効果まで練ろうと思わないタイプの落とし所。よく踏みとどまってくださった、と思う。

《移り季の風》 (速攻魔法)
このカードは発動ターンのターンプレイヤーによってそれぞれ以下の効果を得る。
自分:相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を持ち主の手札に戻す。
相手:相手フィールド上のモンスター1体を持ち主の手札に戻す。

【モリさん(4か月ぶり3回目の入賞 06.7 10.1 10.9)】
書き方のテンプレートとしてはどうなんだろう?ってのがありつつも、おそらくはずれていない範囲で上手く効果を作ってると思う。基本的には《強制脱出装置》の上位互換になりかねないのだけれども、《強制脱出装置》としては相手ターンにしか使えない訳で、上手く練ってるなあと思う。自分と相手が逆だったら間違いなく壊れだったわけだしね!
個人的にはもう少し名前を練ってほしかったかもしれない。さらにぐっとする名前、きっとあったかも。

佳作

1009_3_thrones《宝座の座天使(ほうざのスローンズ)》 地属性/天使族 ☆7 2800/2800
自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する。自分はこのカードの攻撃力分ライフポイントを回復する。この効果は相手ターンにも発動する事ができる。

【フォースさん(初受賞)】
佳作の中では少し差を話したところにあり、佳作と優秀の真ん中くらいかなという印象。そもそも天使ってのは神話の印象もあるし、EOJから続くメカメカな印象もあるしと、大体の無茶が許されるテーマ。久しぶりに「回復」というどまんなかの観点から天使を見て、ありそうでなかった効果をまとめてくれた。特に戦闘拠りではない効果として見れば、そうそうはっちゃけてもいないだろう。
【ill. KAZさん】「キーワードの1つである車輪(のような物)に天使が座っている感じのイラストにしようと思いました」という根底のもとの発想。よくRPG作品とかであるあの『意図不明だけど文明の利器っぽいもの』を上手く扱った形となっています。
なにせKAZさんはイラストから加工まで全部を手掛けられる方なので、全体の構成図を模索したうえでの作品づくりに長けておられる方だと思います。今回の作品についても、めいきんぐ作品には珍しい『白基調』なのですが、なるほど神聖性を引き出す作品となりました。

《コアキメイル・スライム》 水属性/水族 ☆1 100/2000
このカードのカード名は、手札または墓地に存在する限り「コアキメイルの鋼核」として扱う。自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する。自分のデッキまたは墓地から「コアキメイルの鋼核」1枚を手札に加える。

【pi-trasさん(初受賞)】
ここまでダイレクトなテーマカードを入賞させるのは正直久しぶりだなあと思うとともに、一つの方向性。
コアキメイルに必要な《コアキメイルの鋼核》不足というテーマを補完する試み、かつそれを表現するのにスライムという発想を持ちだした。鉱物だってつきつめれば柔らかいものなんだし、スライムという発想から「生成」する想像に行きつかせたのは正直発想できなかった。バランスも申し分ないところにあるし、これ……リアルカードに欲しいなあ。

1009_3_rutubo《強欲なルツボ》 (通常魔法)
自分の墓地に違う種族のモンスターが5種類以上存在する場合のみ発動することができる。自分はデッキからカードを2枚ドローする。「強欲なルツボ」は1ターンに1度しか発動できない。

【クリードさん(2か月ぶり2回目の入賞 10.5 10.9)】
これもまたパロアレンジ。こうしてみると今回のその割合は5割にいたるわけで何か作為があるんじゃないかとなりそうだが、無いですよ!
ルツボの名のもといわゆる「サラダボウル」な考えのもと多種族混合の効果。総合的に見たアレンジは《強欲な壺》《強欲で謙虚な壺》《強欲なウツボ》にある形となっているが、アレンジ元をすんなりと咀嚼させつつ、既存を避けつつ、名前と効果の親和性も高い。上手く仕上がっている一枚だ。
【ill. 卯双月さん】効果の「坩堝」感を表現するために採用されたのは霊使いの使い魔達。効果の都合上どの種族を選択するかに迷うところですが、なるほどこれら使い魔たちであれば属性も種族もばらけててその表現が伝えやすい。画面の圧迫感も無くわかりやすい表現となりました。実に素敵な選択と描画で、ぎゅうぎゅうしつつもなおほんわかとした暖かい一枚に仕上がっています。

【講評】
今回は申し訳ないけど、琴線的にぐぐっと迫るカードは少なかったため、受賞は最低ボーダーの6枚となってしまいました。今回はその偏りがより出ている感じで、「このコンテンツってそんなにパロいけたっけ!?」みたいに感じる人もいるかもしれません。当方としては、過去テーマ的・アレンジ的傾向を嫌っていた傾向があることは認めますが、いつかの表明で方向転換した旨を述べています。そのため基準としては非常に単純に「良い物は良い」傾向になってます。もちろん「傾向と対策」も大事ですが、好きなテーマを突き詰めて頑張ってみるのも一興なのではないでしょうか。

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