オリカ☆めいきんぐ(2013年)入賞作品

1月/テーマ:フリー

最優秀賞

《叶苗床(かなえどこ)》 光属性/植物族 ☆1 100/2000
このカードは永続魔法カード扱いとして手札から魔法&罠カードゾーンに発動できる。このカードが魔法&罠カードゾーンに存在する間、モンスターが召喚・特殊召喚される度に、このカードにフラワーカウンターを1つ置く。また、このカードに乗っているフラワーカウンターをすべて取り除くことで魔法&罠カードゾーンから特殊召喚できる。この効果で特殊召喚する場合、取り除いたフラワーカウンターの数だけこのカードのレベルを上げる。この効果は手札から発動したターン発動できない。

【カモさん(9ヶ月ぶり5回目の入賞 09.8 10.3 10.9 11.2 13.1)】
モンスターが召喚されるたびに「成長」していく苗であり、永続魔法として扱うことにより割合安全に成長させるギミックの相性がいい。悪用は難しそうだが、バランス調整として加味された誓約コストも相まって慎重な検討が見て取れる。
少し既存ルール枠をアウトラインに踏み込んでいるため、若干既存テキストからの脱線が見られエラッタ的な疑問が浮かびはするが、それらは十分許容範囲に抑えられているはずだ。

優秀賞

《魔女皇(ウィッチロード)セーレム》 闇属性/魔法使い族 ☆8 2600/2000
このカードは魔法使い族モンスター1体のリリースで召喚できる。1ターンに1度、自分の手札・墓地の永続・装備・フィールド魔法以外の魔法カードを1枚除外して発動できる。この効果の発動時に除外した魔法カードの効果をこのカードの効果として1度だけ適用する。この効果は相手ターンでも発動できる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、互いは魔法カードを発動できない。

【フェルミさん(初受賞)】
実はこの手の「スペルスピード1を相手ターンに」の発想はかなりメジャーで見尽くした感もあったのだが、この発想は一歩さらに発展していて可能性に唸らされた。
墓地を経由させることで相手に対抗余地を残しつつも、こちらとしては通常魔法を相手のターンに構えられるという恩恵を得る。しかし、魔法カードの発動ができなくなるため召喚してからの弾の補充は難儀しそう。昨今の魔法の採用数が少なくなっている事情を鑑みれば、構成を尖らせる余地のある効果は面白い発想だ。
オーバースペックにも見て取れるが、罠での対処は十分可能な域のはず。バランス的にも許容されるところだ。

《吊り式巨大シャンデリア》 (フィールド魔法)
フィールド上に存在するこのカードが破壊された時フィールド上のすべての表側表示のカードを破壊し、お互いのプレイヤーに1000ダメージを与える。

【「さん(初受賞)】
シャンデリアが落ちたらドンガラガッシャンとガラスが飛び散り痛い。下にいる者は傷つくし、プレイヤーもダメージを食らう。実に理にかなった発想だ。
フィールド魔法ってのには違和感があるかもしれないが、これは永続魔法とは表現しにくい。うん、紛うことなきフィールド魔法だ。

佳作

《鬼魂斬り雀(きたきりすずめ)》 風属性/鳥獣族 ★3 2200/1700 【エクシーズ】
レベル3モンスター×2
このカードの効果はこのカードのエクシーズ素材がなければ適用されず、このカードのエクシーズ素材は取り除くことも、追加することも出来ない。このカードを対象とする装備カード、永続罠カードはこのカードが表側表示でフィールド上に存在する限り、カードの効果では破壊されない。このカードが墓地から特殊召喚されたモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わずその相手モンスターを墓地に送ることが出来る。

【犬山さん(初受賞)】
オリカめいきんぐってのはイラストありきで考えることではない。だが、この名前・この効果を見るにその「雀」ってのはとてつもないいかつい、モンスターをハントする系の戦いにおける弩級のモンスターであるだろうことが容易に想像できる、ファンタジーモンスター好きにはたまらないデザインだ。
汎用性高いデザインとなっているためやりすぎないような心配りがされており、だからといって尖りのないデッキであると全貌を活かしきれないという方向性。オリカとはかくあるべき、な思考を巡らせてくれる一枚だ。

《ターン・オーバー》 (通常罠)
モンスターが3体以上特殊召喚に成功したターンに発動できる。フィールド上の特殊召喚されたモンスターを全て裏側守備表示にし、このターンのエンドフェイズになる。

【ビッテンさん(初受賞)】
ターンオーバーという単語には色々な意味があるが、ここではオーソドックスな「攻守交代」が使われている。スピーディな展開にぶっこんで相手のテンポを狂わせるところはいいのだが、ちょいと地味か。防御としての発想は素敵な所をついてきてるので、あと一歩あればさらに唸らせることができたかもしれないと思った。

《降臨の宴》 (速攻魔法)
儀式魔法カードの効果によって儀式モンスター1体がフィールド上に儀式召喚された時に発動できる。自分はデッキからカードを3枚ドローする。

【闇の福音さん(12ヶ月ぶり3回目の入賞 9.10 10.5 13.1)】
確かに儀式って本来はこういうものなんだよなあ。なんかわけわからん仮面を被って謎の踊りを踊って火の周りでどんちゃかする的な。遊戯王では原作からして「供物を捧げて祈る」方向の儀式に傾倒しているが、こういうのも確かに儀式だ。
神へ祈って、恩恵を引き出す。儀式魔法そのもののコストの高さへの親和性はデザイン・ルール性の共に適正だ。

【講評】
久々の大会、そして前回開催からパックもプロモも多数追加されたことも相まってアイデアは成熟しており、これだという一枚を見つけるのにレベルの高さからいい意味で苦労しました。
ここからはまた隔月開催を予定。そのうち、テーマとしてはこれまでにないようなものをぶっこむ、予定です。

3月/テーマ:実在テーマ関連

最優秀賞

《超深度潜航船》 水属性/機械族 ☆4 0/2000
このカードのコントローラーが「サルベージ」を発動した時に発動。「サルベージ」の効果を無効にし、自分の墓地から水属性モンスター2体を手札に加える。

【ときさん(初受賞)】
あれ? これ、どういう使い道なんだ? と思ったけど、なるほど《サルベージ》の攻撃力規制をこのカードを挟むことで引っぺがすという使い方。より深くというネーミングと効果のバージョンアップの方向性は非常にマッチしており、ありそうでなかった、しかし決してありがちな発想ではない考え方に称賛。既存の発想の調理としてはかなりの巧さを感じられた。

優秀賞

《ライトロード・忍者 ミツキ》 光属性/戦士族 ☆4 1500/1500
自分の墓地に「ライトロード」と名のついたモンスターが3種類以上存在し、このカードが召喚に成功した時、このカードをリリースして発動できる。このターン終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動する事ができない。また、このカードがデッキから墓地へ送られた時、相手は次の自分のターン終了時まで手札で発動する効果モンスターの効果を発動できない。

【マジックさん(2ヶ月ぶり2回目の入賞 12.2 13.3)】
「ライトロード」「忍者」の2テーマのハイブリッドギミック。しかし既存の忍者関連カードとは親和性は見いだせないので一工夫を要する構造となっている。どうしてもハイブリッドテーマカードという発想がありきでちょっと踏み込みが甘かったかも。ライトロードに案がよっており、忍者であることの必然性が全体から見出しにくかったか。

《陽神八咫烏》 光属性/鳥獣族 ☆9 0/200 【スピリット】
このカードは特殊召喚できない。このカードが召喚・リバースされたターンのエンドフェイズ時に、このカードは手札に戻る。このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、次の相手ターンのドローフェイズをスキップする。

【ときさん(初受賞)】
そして前代未聞。これだけの年数をこなして初?の「ひとつきに、2賞に全く関連しないカードで、一人の作者から2枚のカードのランクイン」という快挙。これは何気に恐ろしく素晴らしいことを成し遂げてくれたと思います。それも初受賞……とんでもないルーキーさん!
いわゆる既存カードを現在使用出来るように賢明にチューンした系の一枚であり、過去の《冥加のデメテル》でお察しのように割と審査サイドがお好みな領域。《八汰烏》もここまでやったらまあ大丈夫だろう!?という見えないメッセージについては、私も同意ですね!

佳作

《瞑界龍(めいかいりゅう)ミクロコスモス》 闇属性/ドラゴン族 ★12 3000/3000 【エクシーズ】
《マクロコスモス》×2
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する上記のカードをエクシーズ素材としてエクストラデッキからエクシーズ召喚する。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、フィールドを離れるカードは全てこのカードのエクシーズ素材としてこのカードの下に重ねる。このカードがフィールドを離れる時、このカードのエクシーズ素材の枚数×300ポイントのダメージをお互いのライフポイントに与える。

【南瓜さん(2ヶ月ぶり8回目の入賞 06.8 09.1 09.3 10.3 10.5 11.2 12.5 13.3)】
モンスター以外をエクシーズ素材とする発想自体は決して斬新ではなく、あとはどう調理するかに焦点を置いて見させてもらっていた。その中で一つ唸ったのがこの一枚であり、元々の《マクロコスモス》の効果の発想をベースにしつつもエクシーズであるということも上手く効果に利用し昇華している。既存カードに決してない分類の効果だが、無理なく仕立てあげてくれている。

《合成宝玉獣 コランダム・グリフォン》 光属性/獣族 ★4 1300/2400 【エクシーズ】
レベル4モンスター×2
このカードのエクシーズ素材1つを永続魔法カード扱いとして自分の魔法&罠カードゾーンに置いて発動する。「宝玉」と名の付くカード1枚を自分のデッキから手札に加える。「合成宝玉獣 コランダム・グリフォン」の効果は1ターンに1度しか発動できない。

【たいむさん(4ヶ月ぶり2回目の入賞 11.10 12.3)】
上もそうだが、なかなかエクシーズとしてやらかしていることは無茶苦茶であり実在カードに近いものが現れるか?と思うとかなり微妙だよなあと思っちゃう。だけど、それがオリカのいいところ。
実に宝玉獣らしいハリボテの作成とサーチだが、個人的にはオーバースペックでも永続魔法カード扱いとする素材に「宝玉獣◯◯◯」とか名前を付けさせて《虹の古代都市-レインボー・ルイン》の枚数粉飾させても良かったのかなあと思う。インフレ化から置いてけぼりになっている宝玉獣からしたら許容範囲の刺激かなあと感じた。
もちろん、たいむさんもそこを考慮した上でオーバースペックを嫌ったのかもしれない。実際のところ、ある程度のスパイスは望んでいるのでちょっとした攻めも有効かな?

《古代の廃棄人形(アンティーク・ギア・スクラップ・アンドロイド)》 地属性/機械族 ☆8 3000/2800
このカードが特殊召喚に成功した時、このカードを破壊する。このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、このカードの攻撃力が守備表示モンスターの守備力を超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。このカードが「スクラップ」と名のついたカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、「古代の廃棄人形」以外の自分の墓地に存在する「スクラップ」または「ロイド」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。

【カモさん(2ヶ月連続6回目の入賞 09.8 10.3 10.9 11.2 13.1 13.3)】
節操ないテーマの取り込みに失笑且つお馬鹿勝ちな印象。上記の《ライトロード・忍者 ミツキ》がスマートに勝ちを狙いに来たのとは毛色の違う、ある程度笑いを取りに来つつの一枚だが、効果そのものは取り込んだテーマを余すこと無くちゃんと構成しているので、単に馬鹿やってるだけでない真剣さも見えてとても良い感じ。

《千本鳥居》 (永続罠)
500ライフポイントを払う事で、スピリットモンスター1体を通常召喚する。この効果は自分のターン時及び相手のバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

【イゴールさん(初受賞)】
スピリットモンスターは特殊召喚できない誓約がある者達なので、そことのバグが起こらないようの整合性を保ちつつ仕上げている。基本的に《血の代償》が意識にあるのかなあと思い、スピリットに絞っているからレベル指定もなくそうという調整が見て取れるが《火之迦具土》とか《八俣大蛇》を考えたらここは若干慎重を期するべきかも。
もちろん、それら事故誘発系大味な一枚らを投入するリスクを考えたら相応の報酬だとは思う。なんかあと一歩あればさらに楽しげになりそうな発想と見て取れた。

【講評】
投稿していただいた方はわかると思うのですが、イメージより「縛り」がないテーマだったかと思います。名前縛りテーマから、公式リリーステーマから、ネーミングパロディから属性種族までと……ここまでで行なってきた大会の何個かのテーマからハイブリッドに投稿を許容した門戸の広い大会だったかと思います。
実は審査している私でももうちょっと狭いと思っていたので、いざ投稿されて「あ、これもOKだな」というような感覚でどんどん広くなった形ですね。何故か入賞が「スピリット」と「変則エクシーズ」、「二重テーマ」に拠ってるのですがそれには他意はなく、単純にそれらの発想に優秀なところが重なっただけです。今回に関しては投稿が多かったテーマとかもあまりなく、あったとしてもバイアスはあまりかかっていないはずです。今回のテーマは個人的にも見てて楽しかったので、いずれ再度行いたいと思います。

6月/テーマ:フリー

最優秀賞

《帝座の守護像》 風属性/岩石族 ☆4 2400/1000
このカードは特殊召喚できない。このカードの攻撃力は、自分のエクストラデッキ1枚につき200ポイントダウンする。

【緑座さん(初受賞)】
デメリットを背負わせた上での性能の良いモンスター。このご時世エクストラデッキを使わないということの重荷は相当でかいが、名前で示唆されているように「帝」を使っていくのであればかろうじて回避はできるような縛りではある。帝が統一している2400というステータスも総合的に加味されており、デメリットとのバランスも抜群。デザイン性とテーマ性、共に総合的な評価が高い仕上がりだ。

優秀賞

《クールノー金鉱》 (フィールド魔法)
このカードは、「クールノー金鉱」以外のカードの効果では破壊されない。このカードの発動時、相手プレイヤーは手札を2枚捨てる事でこのカードを破壊することができる。お互いのプレイヤーは、それぞれ1ターンに1度自分のスタンバイフェイズに、自分の墓地の魔法カードと罠カードを1枚ずつゲームから除外することができる。その後デッキからカードを2枚ドローする。

【い~さん(6ヶ月ぶり10回目の入賞 05.7 05.10 06.5 06.7 08.2 09.1 09.10 10.1 11.4 11.10 13.6)】
元ネタはちょっとしたインテリ系単語で、別にそことの関連性は大してないのだが、それを差し引いても単なるデザインの秀逸性は高い。相手は構築次第ではこの効果を頂けても何回も活かしきれない可能性があるので手札を切ってくる可能性もあるだろうし、ある種の「詰み」を防ぐためにそういう逃げ道を用意させたのは正解だと思う。
相手が先に効果を得ることもあってそうそう自分だけが特別恩恵を受け続けるようなことは不可能だとは思う。だけど、エクゾディアのようにドロー+圧縮の絶対性が加味されるような構築であれば効果以上の性能を発揮できたりと、スペックを大きく引き伸ばすことも出来る。そういう組み合わせを唸らせる効果はオリカの絶対必要要素。見事な魅力を持ち合わせた一枚だ。

《覚醒霊術》 (通常魔法)
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。対象のモンスターを裏側守備表示に変更する。選択したモンスターの元々の種族が魔法使い族だった場合、自分のデッキ・墓地から守備力が1500の魔法使い族モンスター1体を手札に加えることができる。その後、選択したモンスターを表側攻撃表示に変更する。

【夜遊さん(初受賞)】
見え見えなのは霊使いとの合わせ技ではあるが、それでなくとも魔法使い族にはリバースモンスターが多いためそれらと組み合わせるだけでも面白みを感じる、魔法使い族フォローカードとしていい仕上がりな一枚。もちろん《月の書》の立ち位置を損ねないためにこのオリカは通常魔法にするといったバランス取りも手堅い仕上がりとなっている。

佳作

《幽谷響巫女(やまびこみこ)》 風属性/植物族 ☆3 1200/1200
自分フィールド上のモンスターが「1ターンに1度しか発動できない効果」または「1ターンに1度しか使用できない効果」を発動した時、このカードを手札から捨てて発動する。そのモンスターはこのターン同じ効果をもう1度だけ発動する事ができる。相手フィールド上のモンスターが「1ターンに1度しか発動できない効果」または「1ターンに1度しか使用できない効果」を発動した時、そのモンスター1体を選択して発動できる。墓地のこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードの効果は、選択したモンスターと同じになる。「幽谷響巫女」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない。

【ティーアさん(12ヶ月ぶり4回目の入賞 05.11 09.1 10.7. 13.6)】
コピー効果の表現は《ファントム・オブ・カオス》のような「幻」視点が実在カードでは取り上げられていたが、こういった「山彦」視点で取り上げるのも当然有りでしょう。複雑な効果であるだけに効果の表現については削ぐ所は削ぎ、残す所はしっかりと残す取捨選択が肝要とみられるのですが、それらを適切に仕上げており、伝わる効果としている一点だけでも効果づくりの実力が伺えます。
ただ一点、「この効果」がどこまで係っているかわかりにくかったのは難点だったかも。一個目の効果? 二個目の効果? どちらもあわせて? っていうことだけは示して欲しかったかな。

《ハネクリッター》 光属性/天使族 ☆3 1000/600
このカードがカードの効果によって自分のデッキから手札に加わった場合、このカードを手札から捨てて発動できる。デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。「ハネクリッター」の効果は1ターンに1度しか発動できない。

【大便乗返しさん(初受賞)】
《クリッター》より回りくどいが、場合によれば《クリッター》より早いタイミングでサーチを目論むことが出来るため、差別化はしっかりされている。
あとは、意外と《クリッター》はキモかわいいというか、このカードのフォルムを想像してみてもしっくりくるかのような妙な似合いさを感じるのではないだろうか。ほら……想像してください……《ハネクリボー》の本体部分が《クリッター》になったその姿を……うん、いけるよね?

【講評】
今月はどうしても佳作が2枠となってしまいました。フリーはどうしてもアイデアが広くなってしまい、逆に皆さんの考えが散逸してしまうのと、あとどうしてもこのコンテンツも8年(!)も続けるとフリーに関して求めているものがやたら大きくなってしまい、どうしても選びきれなくなってしまった結果でしょうか。
フリーという形で逆に難しいと考えられるのも承知しています。既存の新カードに時たま現れる彗星のようなアイデア。皆さんも一見でそれらを見た時「!?」と思ったカードは一枚や二枚ではないと思います。そういうインスピレーションは大事だと思いますので、是非ともそれらから刺激を受けてもらえればと思います。

12月/テーマ:フリー・フリー(新能力可)2テーマ同時開催

最優秀賞(フリー)

《影鬼》 闇属性/悪魔族 ★4 2700/2500 【エクシーズ】
闇属性レベル4モンスター×2
このカードのエクシーズ召喚は、フィールド上に裏側守備表示で存在するモンスターを素材としなければならない。1ターンに1度このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上に存在するこのカード以外のエクシーズモンスターを1体選択して発動する。このカードを選択したモンスターのエクシーズ素材にする。この効果は相手のターンでも発動できる。このカードをエクシーズ素材として持つモンスターは攻撃することができず、このカードを効果の発動のために取り除くこともできない。エンドフェイズ時、このカードをエクシーズ素材として持つモンスターの上に重ねて特殊召喚し、コントロールを元々の持ち主に戻す。

【西さん(8ヶ月ぶり2回目の入賞 11.9 13.12)】
徹底的に「影」を意識することによって裏を裏をというものをテーマとした効果のつくり。素材の指定からあっちこっちの移動まで、影であるからこそイメージがしやすい効果は新機軸ながらもバランスよく仕上がっており、エクシーズであるからこそという観点も決して忘れてはいない。古きを活かして新しきを創造する。これぞオリカ!

優秀賞(フリー)

《ヂェミナイ・ハイエルフ》 地属性/魔法使い族 ★4 3800/0 【エクシーズ】
レベル4モンスター×2
このカードはエクシーズ召喚でしか特殊召喚できない。このカードをエクシーズ召喚する場合、特殊召喚されたモンスターをエクシーズ素材とすることはできない。

【い〜さん(11ヶ月ぶり9回目の入賞 05.7 05.10 06.5 06.7 08.2 09.1 09.10 10.1 11.4 13.12)】
効果を作ったのは召喚条件のみ。ただ、それでも唸らされるくらいには「無かったなあ!」と思わせるものであり、周辺のステータス設定込みで見事なバランス。
名前も迷ったとは思うんですが、ファンタジーとして王道かつ正道である「ハイエルフ」という単語の使用。スムーズに飲み込めた。

《分水嶺の巨人》 地属性/岩石族 ★3 2200/1800 【エクシーズ】
レベル3モンスター×2
スタートステップ時に、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する。このカードのエクシーズ素材が水属性モンスター2体のみの場合、このモンスターの両隣にそのモンスターを表側攻撃表示で特殊召喚する。このモンスターの両隣のモンスターカードゾーンが使用されている場合、この効果は発動できない。このカードが戦闘によって水属性モンスターを破壊した時、そのモンスターをこのカードのエクシーズ素材とすることが出来る。

【犬山さん(3ヶ月ぶり2回目の入賞 13.1 13.12)】
水っぽくくっつけてしまい、分離する。個人的にはなかでも「スライム」的な印象を持ち、それに準じた構成となっているためイメージしやすかった。言葉遊びとしても、相手モンスターと自分のモンスターの分水嶺と反復横跳びするつくり。「水」を引っ掛けたいいモンスター。

佳作(フリー)

《花竜 ハイドランジア》 炎属性/植物族 ★6 2000/2500 【エクシーズ】
レベル6モンスター×2
このカードの種族はドラゴン族としても扱う。このカードのエクシーズ素材に次の種族のモンスターが存在する場合、以下の効果を得る。
●ドラゴン族:このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃することが出来る。
●植物族:1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力・守備力を100ポイントダウンし、ダウンした数値の合計分このカードの攻撃力をアップする。

【シキさん(10ヶ月ぶり5回目の入賞 09.10 10.1 10.7 11.4 13.12)】
優雅美艶なドラゴンをイメージさせる竜と植物のハイブリッド作品。効果もドラゴンの豪胆さと植物のしなやかさを併せ持ちつつ、それぞれがシナジーを作っており相性が良い。そのため併せ持った時の強力さが際立っており、オリカに求められる、デッキそのものをイメージさせる魅力を持っている一枚。

《開戦の引き金》 (永続魔法)
発動後、自分のデッキからカードを3枚選び裏向きにゲームから除外する。このカードが相手によって破壊された時、このカード効果で除外されたカードを公開し、その中にある特殊召喚可能なモンスターを全て特殊召喚する。

【hunmerさん(4ヶ月ぶり4回目の入賞 09.10 10.1 12.5 13.12)】
見える爆弾を置いておき抑止力にする。「相手によって」の破壊なので早々の悪用もできないし、相手がやむなくぶっ込んできたら「喧嘩を売ってるの?」ばりの爆発力を持った仕返しを可能とする。ともすればハッタリとしてモンスター以外を射抜いてのデッキの圧縮にも使えるし、威圧から空目まで様々な可能性を見込めた一枚だ。

最優秀賞(フリー・新能力可)

《神速の祝詞》 (エンハンス魔法(+速攻魔法))
エンハンス魔法は指定された種類の魔法カードに重ねて発動する。このカードが重ねられた速攻魔法カードのスペルスピードを3にする。また、自分のスタンバイフェイズ終了時にこのカードが墓地に存在する場合、自分の墓地から速攻魔法を1枚除外することでこのカードを手札に加える事が出来る。

【hunmerさん(4ヶ月ぶり4回目の入賞 09.10 10.1 12.5 13.12)】
そして、同時開催だからこういう入賞もありです! hunmerさん同時2テーマ入賞です。
魔法の速攻魔法化は決して目新しいジャンルではないけれども、エンハンス(強化)という互換、「重ねる」というエクシーズがあるからこそ自然なワードチョイス、丁寧なバランス調整も含めて上質な仕上がりを感じた一枚だった。入賞作全てに関わってくるんですが、新テーマといえども、このカードのように「カードテキスト」内で完結させることが肝要。場外でエラッタを付けないと成り立たなかったカードについては、テキストのシンプル化を考えてほしいところでした。

優秀賞(フリー・新能力可)

《紙祖神(シソガミ)》 地属性/植物族 ☆5 500/2000 【スピリット】
このカードは「苦しい時の紙だのみ」以外の効果によっては特殊召喚できない。召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、フィールド上のモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える。また、このカードが墓地に存在する場合、通常モンスターとして扱う。

【ティーアさん(2ヶ月連続5回目の入賞 05.11 09.1 10.7. 13.6 13.12)】
ありそうでなかった! やりおった! と膝を叩いた一枚。意外にもなかった「めいきんぐ入賞作を使って遊ぶ一枚」。それも2005年11月のティーアさん自身の特別賞を使うという原案に感心しきっており、ちゃんと元カードも活かしきっているため遊び心の方向性に唸りきった一枚。
ちなみに、「《苦しい時の紙だのみ》:通常魔法:自分の墓地から攻撃力500以下の通常モンスター1体を特殊召喚する。」でした。

佳作(フリー・新能力可)

《聖盾の白騎士》 光属性/戦士族 ☆4 1700/2100 【バースト】
自分フィールド上にエクシーズモンスターが特殊召喚されたとき、自分フィールド上に存在するこのカードを特殊召喚されたエクシーズモンスターの素材にすることができる。この効果でエクシーズ素材となったこのカードを素材とするエクシーズモンスターは以下の効果を得る。
●このカードが破壊されるとき、代わりにエクシーズ素材を1枚取り除くことができる。この時取り除くエクシーズ素材はバーストモンスターでなければならない。

【ときさん(2ヶ月ぶり2回目の入賞 13.3 13.12)】
ドファンタジーをイメージさせるパラディン系造形。似たような効果は実在カードにあるにはあるが、バランス的にそそられないところがあったりした。しかしこういう風に仕立てあげられると情景的にもステータス的にもイメージがしやすく、守ってやる感が伝わってくる。

《パラサイタイル》 地属性/昆虫族 ☆4 1200/2000 【アネクメーネ】
このモンスターは自分フィールドのモンスター枚数制限に数えない。1ターンに1度だけ、次の効果から1つを選択して発動する事ができる。
●使用していない自分の魔法・罠カードゾーンをお互いに1ヶ所選択し、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、使用不可能にする。
●使用していない自分のモンスターカードゾーンをお互いに1ヶ所選択し、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、使用不可能にする。
このモンスターが破壊される場合、代わりにこのカードの効果で使用不可能にした相手のカードゾーン1ヶ所を使用可能に戻す。裏側守備表示のこのモンスターが相手のコントロールするカードの効果によって破壊された場合、使用していない相手のモンスターカードゾーンはターン終了時まで全て使用できない。

【犬山さん(3ヶ月ぶり2回目の入賞 13.1 13.12)】
「アネクメーネ」という「居住できない」単語を使い、徹底的にゾーン(タイル)をいじり倒す効果。ゾーンの封殺自体は実在カードにもあるのだが、「モンスター枚数制限に数えない」ってのは中々見ない視点の効果。また、全体的に殴り書くと訳の分からない効果になりそうなものを、よくよくまとめあげたのに力量を感じさせた。

【講評】
足掛け9年させて頂いた「オリカ☆めいきんぐ」コンテンツもこれまでを1stシーズンとし、終幕とさせて頂きました!
最後に2テーマ同時開催という形で大きく開かせてもらい、やはり魅力にあふれるカードが沢山見られて楽しかったです。
これからは構造を見直し、過去を編集し、どうやればオリカコンテンツとして新時代にそぐうものになるか、休息期間を置きたいと思っています。いずれ未来の2ndシーズンに向けて! ありがとうございました!

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