オリカ☆めいきんぐ(2005年)入賞作品

7月/テーマ:フリー

最優秀賞

0507_1_diplomacy《軟弱外交》 (通常魔法)
効果:手札を好きなだけゲームから除外する。自分の墓地から、同じ枚数のカードを相手が選び、それを手札に加える。
【チャキャラさん(初受賞)】
 審査員全員が惚れこみ、最優秀賞の座はこれしかない!と即断で決まったカードがこれ。オリカの重要な要素として挙げられる「効果」と「名前」、そして『もし実在したときに悪用が出来ないか』。効果単体で見れば強さは中の上であり、組み合わせも多種多様。相手が選ぶ、除外というデメリットでうまくオブラートに包んだ、芸術作と言うにふさわしいカードだ。
【ill. 直人。さん】《軟弱外交》は記念すべき当企画第一回の最優秀賞であり、未だ(改筆2010年3月)その出来は歴代の最優秀賞トップクラスと疑ってやまない一枚です。その発想は当企画の各所に影響を及ぼし、この作品をオマージュした作品(2009年10月優秀賞《磐石外交》が投稿され、そういった攻め方もあるのかとうならされた覚えがあります。
 直人。さんの中で外交官を《ヒステリック天使》として考えられた、カードの裏側を使った演出。企画の滑り出しとして感激した覚えがありました。

優秀賞

《狙い澄まされた対抗魔法(カウンターマジック)》 (速攻魔法)
効果:相手が魔法カードを発動した時、自分の墓地に同名カードが存在する場合、その効果を無効にし破壊する。その後、自分の墓地からそのカードを除外する。
【ぶらくまさん(初受賞)】
 一見条件を満たすのは無理難題にも見えるが、ミラーマッチがそこらで起こるこのカードゲームであれば、十分発動チャンスがある。冷静に考えてみればそこがなかなか盲点となっているカードだ。速攻魔法でありながらカウンターの性質を持つ、枠内を外れた性格をしていながら、「同名カード」を使いごく自然に演出しているので、不自然さを感じない。ゲーム後半になればなるほど可能性も倍増といういぶし銀のカードだに審査員の琴線が揺れた。

0507_2_endless《終わりなき暴君》 炎属性/雷族 ☆7 1700/1600
効果:このカードは破壊されない。
【とーらんさん(初受賞)】
 効果欄13文字。その中に全ての強さを凝縮していて、一見バランスブレイカーに見えるが実はそうではない。「破壊されない」となったら一見無敵そうだが、「除外する」「生け贄に捧げる」といった行為には耐性はないので《異次元》系モンスターや《痛み分け》で破壊されるといった脆さもあり、わき腹をつつけばなんとでも対処が可能、大味な強さと渋い弱さは今回のモンスターの投稿の中でもトップクラスの評価を獲得した。
 属性・種族・レベル・ステータス、その全てが悪巧みしようがない「半端さ」も加点に大きく貢献。
【ill. 卯双月さん】このカードは破壊されない、これだけの効果であるためイメージは完全に絵師さんによる所があるわけですが、実にモンスターらしい調理。造形的に遊戯王のモンスターのコツを描写し、普通に商用にデザインされそうな傾向で描かれています。

佳作

《揺籃時代の幕開け》 (永続罠)
効果:このカードは相手のスタンバイフェイズにしか発動することが出来ない。お互いのプレイヤーはメインフェイズに本来の通常召喚に加え、もう一体モンスターを通常召喚することが出来る。
【ネイヴさん(初受賞)】
 有利なことはまず相手からさせてあげることによって、多少大味な効果でも許容できる……というバランスの定石を見事体現して、審査員から安定した評価を獲得したカード。
 ノーコストの《血の代償》となれば問題ありだから、それを相手と共有しさらに発動タイミングを操作することにより下手に動けないようにする。そこまでして発動したいか?と思わせる絶妙さと、揺籃(ようらん)というクレバーな使い回しをめたぽは特に推していた。

《偽善少女トリフィスィ》 光属性/天使族 ☆5 1700/1500
効果:このカードの属性は闇属性としても扱い、このカードの種族は悪魔族としても扱う。
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える場合、その戦闘ダメージによって相手プレイヤーのライフポイントは減少せず、変わりに相手プレイヤーはその戦闘ダメージに等しいライフポイントを得る。このカードの効果によって相手のライフポイントが12000以上になった時、相手はデュエルに敗北する。
【MEGALITHさん(初受賞)】
 光であり闇、天使であり悪魔、回復がダメージ。まさに「偽善」だ! 今回の数少ないモンスターでの受賞作としていかんなくレベルの違いを見せてくれた
カード。上手いことすれば一発でノックアウトできるようにギミックは構築されているので、実際に登場できればとても面白い効果だ。
 ただ「偽善」を表現するために仕込まれた属性と種族の反発のせいで、少しテキストがくどくなったのが悔やまれるのでこの位置となった。

《破綻する目論見》 (通常魔法)
効果:手札を2枚捨てる。相手の手札を見て、その中からカードを1枚選択し相手フィールド上にセットする。
【い〜さん(初受賞)】
 自分の肉を断つことにより、相手の行動をコントロールし、今後の予定を破綻させる、まさに名前通りのカードだ。どうやって使うか、《強欲な壺》伏せさせて《サイクロン》? と聞かれると言葉に詰まるところもあるが、そのあたりの葛藤がオリカらしいとも言える。
 ただ、効果のレベルにしては少々コストがキツかったか。審査員全体としての意見で「一枚が適当じゃないか」という意見が根強かった。

0507_4_kosoado《コソアドイツ》 光属性/天使族  ☆12 4000/4000
「アイツ」+「コイツ」+「ソイツ」+「ドイツ」
効果:このカードは融合召喚でしか融合デッキから特殊召喚できない。このカードの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。このカードの特殊召喚に成功した時、このカードを除く自分フィールド上のモンスターを全て破壊する。その後墓地から「アイツ」「コイツ」「ソイツ」「ドイツ」を1体づつ自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。守備表示モンスターを攻撃した時、このカードの攻撃力がそのモンスターの守備力を越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。
【Koitsuさん(初受賞)】
 そうだよなぁ……実際出たらこんなのだよなぁと、納得しきりの入賞作。いつか出るだろうモンスターを先取りして、ネタを思い切りよく飛ばしたところがまさに「よくやった」という感じだ。
 誰もが考えそうなだけに斬新性はないが、その分きっちり細部にまで練られたバランスがお見事な一品。
【ill. J.Eさん】原色に近い色4つを混ぜた結果であるばばっちい色をうまく表現してくれました(笑)
 攻撃力守備力から見て取れるそのサイズを、紙飛行機との対比であらわしており相当アンバランス。虹をバックにしたメルヘンさと、どどめ色と、メガサイズ。なんだか奇妙なバランスで成り立っているイラストと思います。

《暗躍》 (通常罠)
効果:セットされたこのカードが破壊されたとき、自分の墓地から闇属性の戦士族モンスター1体を特殊召喚する。
【レオ命さん(初受賞)】
 《呪われた棺》に代表される「被破壊系」カードも、可能性を模索できることを思わせてくれた一品。下手に規制をなくしてしまうと悪巧みの対象であり入賞までに至らなかったであろうが、闇の戦士という辺りがいぶし銀。検索してみても悪巧みできるカードは無く、まさに「二番手」揃い。そんな奴らにならこれくらいの報酬は与えてあげよう、という考えが入賞へ至った。

特別賞

《枯山水》 (永続魔法)
効果:手札を1枚捨てる。フィールド上の岩石族モンスター1体はエンドフェイズ時までフィールド魔法扱いとなり、コントローラーのフィールドカードゾーンに表側表示で置く。エンドフェイズ時に、そのカードをコントローラーのモンスターカードゾーンに裏側表示でセットする。この効果は相手ターンにも使用する事ができる。この効果は1ターンに1度しか使用できず、フィールド上にフィールド魔法カードが存在しない時にしか使用できない。
【緑茶さん(初受賞)】
 私はこういうのは大好きです。一瞬でこの効果の内容が光景として頭の中に浮かびました。岩石が庭の中に溶け込み、相手の破壊性魔法を避ける姿、そしてそれが元通りになる姿が。
 「忍者」効果を持ち込むことにより光る点と、1ターンに1度のみという規制。斬新な形で強力ながらも、コストが心地いい設定なので嫌悪感を全く感じないですし、またこの雅なネーミングが喝采モノ。ネーミングセンスを第一に考える私のツボをびんびん刺激しました。(めたぽ)

《盗賊の悪知恵》 (カウンター罠)
効果:ライフポイントを半分払う。相手の罠カードの発動と効果を無効にする。その後、無効にした罠カードを自分のカードとして、魔法・罠ゾーンにセットすることが出来る。
【ファンブルさん(初受賞)】
 やはり、終わりの一行がとても気に入りましたね。無効にするだけでなく、それをまた再利用できるなんて!みたいな感じですね。その反面、《神の宣告》と同じコストで止められるカードが決まっている、といったバランス面も気に入っちゃいました。
またその他にも、内容もあっさりして読みやすく、ルール上問題も無さそうだな、ってところもポイントでしょうか。(赤飯)

《世界を隔てる絶望の壁》 (フィールド魔法)
効果:自分フィールド上に「ドイツ」が存在するときに発動可能。このカードが存在する限り相手はバトルフェイズをスキップする。「ドイツ」が自分フィールド上に存在しなくなったとき、このカードを破壊する。
【絢爛さん(初受賞)】
 名前と効果が完璧に一致しているナイスカード。そんでもって絡めているカードが《ドイツ》とくりゃ、これは特別賞あげない訳にはいかないでしょう。
 まさかこのような形のカードが出てくるとは思いませんでした。思いっきり元ネタがあるのに優秀賞候補まで行ったカードですが、個人的に文句を垂れて特別賞行きになりました。ごめん!(Aitsu)

【講評】
 たった20日という短期の締め切りにもかかわらず170名を越える参加者、そしてそれに見合ったハイレベルな投稿、企画側としてとても嬉しいです。
 今回は、モンスターより魔法と罠に入賞の比重が固まりましたが、モンスターの設定の難しさとネーミングセンスの弾きにくさといったあたりが反映したようで、魔法と罠のほうに優秀作が固まったように思えます。また、入賞のコツとしては「既存のカードと組み合わせて悪巧みが出来ないこと」。
いくらオリカといえども、色々と私達は可能性を模索するので、何かしらバランスブレイカーな部分があれば一発でハネます。
 モンスターが活躍の場を見出せなかったことに激励とねぎらいの意味を込めて、次回はモンスターが跋扈しやすい『ファンタジー』をテーマとして設定しています。さらに豪華なスタッフを増量して、ますますヒートアップする「帰ってきた めいきんぐ」のこれからの動向にご注目あれ!

8月/テーマ:ファンタジー

最優秀賞

0508_1_save《セーブ・ポイント》 (永続魔法)
効果:このカードの発動後3回目の自分のエンドフェイズ時にこのカードを破壊する。このカードが破壊され墓地へ送られた時、このカードのコントローラーのライフポイントはこのカードを発動した時の値になる。
【Masterkeyさん(初受賞)】
 「ファンタジー」を『ゲーム』解釈する派層は割かし少なくは無かったものの、その中でもトップレベルの斬新性とバランスが高評価を獲得、頭一つ抜けた得票をもぎ取った。
 あえて例えるなら《光の護封剣》の派生ともいえる効果だが、それを意識させず、名前と効果のイメージもきっちりとした仕上がり。「墓地に送られた」系の効果はほんの少しのテキストの抜け落ちで悪巧みされやすいが、テキストにも全く隙が無く、正当な使用を推奨されてるのがまさに満点クラスだ。
【ill. ふるめたさん】体力が元に戻る・セーブの観点から、洞窟の奥底にある神秘的な湖がある岩場を想定した、とのことです。 効果より、タイトルの方にマッチングの重視を置かれ、水彩調で描かれたそれは、中性的世界観の「絵画」のような性質すら感じられます。

優秀賞

0508_2_lastboss《真の宿敵(ラスト・ボス)》 (通常罠)
効果:相手モンスターがレベル6のモンスターを戦闘で破壊した時に発動できる。自分のデッキからレベル8の闇属性モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターは元々の守備力を0として扱い、直接攻撃をすることができない。
【終焉さん(初受賞)】
 こちらも「ゲーム」観点のファンタジー作品だが、わかりやすくラスボスの観点を示してくれた一品。
 大作RPGを思い出していただければわかりやすいが、大抵ラスボスは第一段階がやられたら「ぬおおお」とか言い出して変態し、ものごっつい形相の第二形態になる。そして、その第二形態は十中八九守備力がものすごく低い。その分攻撃力は高くなっている。
 ……それだけ思い出したうえで効果を見れば、「ばっちり」なことが良く判るだろう。
【ill. 薫さん】薫さんのおっしゃった直接のイメージによると、サイコショッカー(レベル6モンスター)を破壊したらゾーク(レベル8闇モンスター) が出てきたって感じとのこと。また薫さんの中での遊戯王のラスボス的アクターは裏バクラらしく、それゆえ彼に関係のあるゾークを採用した、ともおっしゃっていました。

0508_2_apple《毒林檎》 (通常魔法)
効果:自分フィールド上にレベル2以下の魔法使い族モンスターが存在する場合、発動する事ができる。相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。
【ゆーきおーさん(初受賞)】
 誰もが名前を隠されて効果を見たら『毒林檎だよなぁ……』と思うしかない、わかりやすい合わせ技。王道過ぎる設定だが、きっちりと活かせば安定したモノができあがることを立証した。効果自体には普通感漂うが、誰もが毒林檎と名づけざるをえない設定は、マッチングの面でトップクラス。
【ill. なつめさん】なつめさんは《ブラック・マジシャン・ガール》の造形が得意な方であり、非常にオファーに迷いがなかった印象です。ガール・魔法おばば・毒林檎の三点を主体としたシンプルかつ非常に伝えやすいレイアウト。効果ともどもさっくりと伝えられる一枚です。

佳作

0508_3_inba《印幡沼乃竜(インバヌマノリュウ)》 水属性/ドラゴン族 ☆6 2000/1500 【スピリット】
効果:このカードは特殊召喚できない。召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。このカードが召喚・リバースした時、自分のデッキから「海」または「ウォーターワールド」を一枚手札に加えても良い。
【カリューさん(初受賞)】
 大方の方は理解されていると思うが、これはしっかりとした日本神話発祥の神。実在するインバヌマノリュウからの作品だ。日本神話をしっかりと調べた基盤の上で、まさにそれと思わせる効果を当てはめたのはポイントが高い。
【ill. 隼鯉さん】和風ドラゴン。和風たる「龍」に「桜」「鈴緒」と日本が誇る造詣を取り揃えてきて下さいました。このままバックに雅楽が流れていてもおかしくない明快なイメージです。
 既に頂いている《狐狗狸》からもわかるように、隼鯉さんはモンスター中のモンスターを好んでチョイスされ、ファンタジー世界観の表現について感銘を思うこと仕切りです。本体はもちろん、細やかなところも一切の手抜きをされてなく、龍を彩る桜模様がよりきらびやかな厳かさを醸し出していると感じます。

《朔月》 (通常魔法)
効果:フィールド上に表側表示で存在する永続魔法・永続罠カードの効果を無効にし、それら全てを裏側表示に変更する。発動ターン、この効果を受けたカードは発動できない。
【飛翔 優さん(初受賞)】
 朔月という言葉には「第一日」や「新月」という意味が含まれるように、現在の事象をリセットしているような趣がある。それをまさに体現している、ナイスな効果だ。
 今月の選定において「月」を名称に使ったカードは非常に多く、その分かなりハイスペックなものが審査員側は要求するものがあったが、ネーミングと効果のセンス、それを考えると「月部門」の優秀作はこれといったところ。効果も工夫しやすく、攻守両用な点も見逃せない。

0508_3_muchigod《無知無能の神》 闇属性/悪魔族 ☆8 2300/1000
効果:このカードは自分の場と手札から合計で6枚以上のカードを除外することで特殊召還することができる。このカードが召還された場合、場にあるこのカード以外の全てのカードをゲームから除外する。
【てけりりさん(初受賞)】
 何が「無知無能」なのか、それを一生懸命考えた上で実際召喚したところをイメージすると「あぁなるほど」となる。召喚のためのコスト、そして召喚後に起こる効果で行われるフィールドリセット。それにより、ほぼこちらの資源は総壊滅。その点がまさに「無知無能」だ。
 オールリセットのカードは結構大味でバランスブレイカーになってしまうのだが、相手の手札は巻き込んでいないため実はこっちが損の場合も相当考えられる。「神」にふさわしい豪快さと繊細さが入賞に拍車をかけた。
【ill. 四面楚歌さん】2005年8月の入賞作が、2008年に描写。足掛け3年の時を超えて生み出されました。なぜこの作品かとなるとあーやこーやあったらしいのですが(笑)、 変わらず見事な作品です。赤い物体は《悪魔の知恵》ということであり、コストと破壊能力から何もかもを無くす意味の無知無能の神、その結果肉体をなくし 《悪魔の知恵》だけを残すようなことになってしまったとのことです。これまでになかったタイプの真剣構造。うーむ、見事。

《ミニコーン》 風属性/獣族 ☆1 150/100
効果:このカードが戦闘で破壊された時、このカードを破壊した相手モンスター1体の攻撃力を0にする。
【エールさん(初受賞)】
 どうしようもない半端な能力が可愛らしい。きっとイラスト化したら可愛く仕上がるだろうが、この位置なのでごめんなさい。
 『ユニコーン』を題材にしたオリカも倍率が高かったため、「いっそのここと全部跳ね除けるか」な風潮になった審査を、『これ名前良くないか』ととどまらせたカードだ。まさに名前のセンス勝ち、といったところ。

《白紙の伝記》 (儀式魔法)
効果:効果を持たない儀式モンスターの降臨に使用する事ができる。フィールドか手札から、儀式召喚するモンスターのレベル・属性・種族のうち1つ以上が同じモンスター1体を生け贄に捧げなければならない。
【織葉さん(初受賞)】
 考えれば考えるほど悪用が出来そうで、それでいて実は過重な期待をかけるほどでもない、そんな儀式魔法だ。
 影が薄くてどうしようもないバニラ儀式を補助するのはいいものの、それでいてもやっぱり二枚のカードを失ってまで《仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー》を呼ぶかなぁというジレンマが実に微笑ましい。
 このカード自体は非常に強い。しかしバニラ儀式に頼るのはやっぱり間違っている。合わせ技一本!

特別賞

《怒り狂う巨人》 地属性/獣戦士族 ☆4 2400/0
効果:このカードの攻撃対象は相手が選択する。
【excelさん(初受賞)】
 審査員全体がわかりやすいカードを望んでいる中で、もっとも効果がわかりやすいカードといったらこれでしょう。
 違うカードゲームでは「攻撃対象は相手が選択」は普通に行われていても、いざ遊戯ユーザーとなればそのシステムはうざったく感じるもの。ちょっとだけ飴を与えてくれて、それでものごっつい鞭が襲うこの効果、名前も効果もシンプルで、まさにオリカの試金石たるカードです。
 効果が斬新でも、それを表現するのに長いテキストを使えば意味はないんですよね?斬新に、シンプルに。永遠の課題!(めたぽ)

《リカバリーチャント −復活の呪文−》 (通常魔法)
効果:サイコロを1回振る。出た目数だけ自分の墓地の上にあるカードを除外した後、一番上にあるカード1枚を手札に加える。
【DEGさん(初受賞)】
 これはすげー斬新じゃないの!?って思って、見た瞬間に審査員特別賞に選んじゃった作品です。とにかく、このギャンブル性も面白いし、さらに除外して手札に加えるってのも面白いですね。
 あともう少し、手札コストをつけてくれればもっと良かった気もしますが、《強欲な壺》とかあるんだからそこらへんね、ね!(赤飯)

0508_4_kurohane《黒いはねがはえたやつ》 闇属性/悪魔族 ☆4 2200/1000
効果:ここのカードが召喚・特殊召喚に成功した時、相手は相手はライフポイント(100単位)を払ってよい。このカードの攻撃力は、その払ったライフポイント分ダウンする。
【ぶらくまさん(2か月連続2回目の受賞) 05.7 05.8】
 ファンタジーと銘打ったためにガチガチのカード名で参戦する方が多数いる中、このカードのネーミングのやる気の無さに惹かれました。W−ウィング・カタパルトとV−タイガー・ジェットのように。
 何だよ黒いやつって。誰だよ。羽とか生えちゃって誰だよ。効果?覚えてないです。ちなみに一番やる気が無いのはこのコメントです。(Aitsu)
【ill. 卯双月さん】ネーミングから故意の生温さを漂わせるそれ。調理するにあたり卯双月さんは『適当っぽさを表現すると自分のモチベーションが落ち込むので、あえて本気で取り組みました』と言っています。
 案の定、一からの造形であるので、完成までに相当苦労されました。その一方出来上がりは、いわゆる人間型悪魔の方向性として突っ切って完成度の高さをにじませます。なにげに、というか。堂々と魔法陣もすごい仕上がりですよ?

【講評】
 モンスターをプッシュするために「ファンタジー」を御題設定しました。思惑通り……といえば当たらずとも遠からずな感じで前回よりはモンスターがきたものの、これでも魔法・罠が入賞頻度が高くなっています。
 これは決して審査員が魔法と罠を好き好んでいるわけではなく、魔法と罠の方がレベルが高い……言い換えればモンスターのレベルが審査員らの琴線に触れきっていない部分があると思います。そこを考えると、私達がモンスターに求めているレベルは相当高いのかもしれません。鬼門かもしれません。だからこそ、モンスターで最優秀賞を獲得する快挙をやってみたいと思わないですか?(笑)
 次回テーマは「ジャパニーズ」。王道『スピリット』を使うのもあり、母国として数々の使えるネタはそこらに散らばっていると思います。
私らの琴線をどんどん揺らしてくださいね!

10月/テーマ:ジャパニーズ

最優秀賞

0510_1_info《飛び交う裏情報》 (永続魔法)
効果:手札から罠カードを1枚捨てる。罠カードの発動と効果を無効にし、それを破壊する。この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。
【ぶらくまさん(3か月連続3回目の受賞) 05.7 05.8 05.10】
 「ジャパニーズ」解釈としてはかなりギリギリだが、二次戦争時の日本の諜報能力を根底に据えてこちらは解釈。異論反論あるとは思うが、審査員に「通じた」運が良かった例と思っていただきたい。
 フィールド魔法以外の共有能力は遊戯王では無く、MTGでも慎重に構築されている能力であるためそのバランスが難しいが、テキストにも差異なく良いバランスで仕上げてくれた。
 罠が多いデッキに1枚差し込みたくなる良い魅力を出している。
【ill. ユミハリヅキさん】とてもいっぱいメールの方にボツにしたネタやこのカードについての出来上がるまでを書いてくださいました。 お代官様と越後屋を初めは連想したらしいですが『まんますぎるから』とボツにしたそうです。皆さん、意識がすごい高いよ(笑)
 で、このイラストの中の女の子は《心眼の女神》を採用したそうです。「えええー」と見た人はなりそうですが、 《マインド・オン・エア》……その正体を《心眼の女神》として作られたとのこと。表向きは「電脳世界の情報」を裏情報とし、裏側では「彼女自身の情報」が裏情報になっているというダブルミーニング。 皆さん、よく考え付くなぁ……!

優秀賞

0510_2_mirror《鏡占術の女傑》 闇属性/魔法使い族 ☆3 1450/1450
効果:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に自分フィールド上に「埴輪トークン」(地属性・岩石族・レベル3 ATK/1500 DEF/1000)か「土偶トークン」(地属性・岩石族・レベル3 ATK/1000 DEF/1500)1体を特殊召喚する(この効果はチェーンに乗らない)。これらのトークンは特殊召喚されたフェイズの終了時に破壊される。
【とーらんさん(2か月ぶり2回目の受賞 05.7 05.10)】
 実名を出さずともモデルをイメージさせる、それは「芸術」の域。卑弥呼の美徳感がそこにあふれ、効果も夢にあふれている。
 合わせるカードを考えるたびに色々と思いつき、廃れていく。そういう「道」を作ってくれるカードは貴重であり、それはオリカにしか出来ない芸当。「商業」を考えず『やりたいこと』を演出したらこうなる。
 まさに、このカードは綺麗なオリカだと言える仕上がりだ。
【ill. ふるめたさん】エルフやヴァンパイアなどのファンタジー要素をとても得意とされているふるめたさんにどんぴしゃなお題を手渡したら、 これしかない!みたいな仕上がりを頂きました。鏡占いだし、そこら中に鏡を装備させました、とのことですが、光で顔が強調されてとても美麗です。 趣味に走りすぎた、らしいですけど、それが私の狙いです(笑)
 これほどまでにファンタジックな入賞作ははじめてですしね。(お題はジャパニーズですが)

0510_2_kaerisi《帰りし者−浦島》 水属性/水族 ☆5 2200/1100
効果:「フィールド上のモンスターを破壊する効果」が発動した時、手札からこのカードを捨てる事でその効果を無効にし破壊する。この効果を発動したターンのエンドフェイズにこのカードを墓地から攻撃表示で特殊召喚する。その時このカードの元々の攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する限り500になる。
【エンペラー・ナイトさん(初受賞)】
 これは実は凄い物語を効果欄に秘めている。よくあの「浦島太郎」をこれだけの行で全て表現したな、と感心さえする仕上がり。
 頭の中で「カードの中の墓地=海」と表現してみよう。破壊効果の無効=これこれ亀をいじめるのはお辞めなさい、墓地に行く=竜宮城(海)に連れて行ってあげましょう、エンドに特殊召喚・攻撃力500=陸への帰還・おじいちゃんに。
 あまりに深い仕上がりに感心しきり。
【ill. 五十嵐さん】スピリットモンスター。色々絵的にも縛りがあり、背面の青の表現もそれなんですが、何もお伝えせずともしっかりそれを加味してくれるあたり、やはり遊戯王イラストへの敬意を感じます。
 スピリットは割とオカルトチックに仕立て上げなければいけないこともあり、人間らしさを表現できない難しさもあると思うのですが、《サンダー・ボルト》をイラストに取り込んだりという効果へのリンクもされた作品となりました。

佳作

《稲穂祭り》 (通常魔法)
効果:自分フィールド上に表側表示存在する植物族モンスター(トークンは除く)の数だけカードをドローする。その後、手札からカード2枚を捨てる。
【闇太郎さん(初受賞)】
 黄金色の風景が一瞬にして思い浮かぶイメージカード。「ジャパニーズ」一直線と、なかなか注目されなかった効果を組み合わせ、上手い名前をつけた。
 日本といえば自然の良さもある。スローライフの提案とともに、『日本らしさ』・『ジャパニーズ』のガチンコカードを体現するカードだ。

《台風の直撃》 (通常魔法)
効果:このカードはルール上「大嵐」として扱う。フィールド上に存在する全てのモンスターを破壊する。
【ハルイチさん(初受賞)】
 初見の方は「おお斬新」と感じられるかもしれないが、実は審査側としてはそうではなかった。
本家めいきんぐで一回最優秀賞をかっさらっていた《トリッキー・ポッド》というカードが、「《強欲な壺》として扱う」別カードだったのだ。
 だから、「強力カードとの二択リスク」のオリカとしての免疫はついていたので残念ながらこの位置。ただ、それでも名前と効果共にいい仕上がりなのは確かだ。

《バブル》 (永続魔法)
効果:自分の手札にある全てのモンスターカードのレベルを2つ下げる。自分のスタンバイフェイズにコイントスで裏表を当てる。ハズレの場合、自分フィールド上のモンスターを全て破壊し、破壊した数×800のライフポイントを払う。
【こばんさん(初受賞)】
 上手い。これも相当経済バブルの物語感を表している。投資=召喚は楽になり、バブルがハジけたあとの資本回収=破壊のデメリットが厳しい。それでもデッキの組みようによったらいくらでもアジがでる夢にあふれているカードだ。
 どう使わせるか?というのを迷わせるオリカは楽しくて良い傾向。

《七五調》 (通常魔法)
効果:手札を1枚捨てる。フィールド上のモンスターカードをお互いに全て確認し、レベルが偶数のモンスターを全て破壊する。
【い〜さん(2か月ぶり2回目の受賞 05.7 05.10)】
 その言葉をそういう意味で使うか!という真新しさに満ち溢れるカード。よく使われるカードがレベル4なだけに、もしこのカードが実在したらメインモンスターのレベル軸をずらすかずらさないか、そういう駆け引きが出来そうで、面白そう。
 こんな洒落た名前で来るかどうかは判断しかねるが、そのうち出てきてもなんら違和感ない効果だ。

《三矢の訓え》 (カウンター罠)
効果:フィールド上のモンスター3体を選択して発動する。選択したモンスター3体全てが効果を受ける、相手のカードの効果を無効にして破壊する。その後、選択したモンスターはフィールド上に表側表示で存在する限りカードの効果で破壊されない。
【ココさん(初受賞)】
 一本の矢ならもろく弱いが、それも三本集まれば並の力では折れなくなる。有名な訓えを体現した効果もなかなかジャパニーズ感あふれて渋い。
 発動条件自体が結構無茶だが、《ライトニング・ボルテックス》や、種族デッキにおける《同族感染ウィルス》など出番は豊富。種族デッキは仲間同士が連携しあっているために、その「訓え」も似合う。

特別賞

《あ〜れ〜》 (永続魔法)
効果:自分のスタンバイフェイズ毎にこのカードの上に「よいではないかカウンター」を1つ乗せる。「よいではないかカウンター」が2つ以上乗ったこのカードを墓地に送ることで自分のデッキからカードを3枚ドローする。このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分は1000ポイントダメージを受ける。
【R.Tさん(初受賞)】
 これはおそらく投稿した本人が「上は無理だろう」と見込んでいるとは思います。この際結構バランスは無視、とにかくその「お代官様」を髣髴とさせる名前と効果にほれ込みました。これでカウンターの名前が「帯カウンター」とか「お代官様カウンター」なら流しであったものの、よりにもよって「よいではないか」、って! 
もう、カウンターの名前で既に特別賞内定なのに効果が意外とバランス練られているのが余計可愛い。(めたぽ)

0510_4_mikaeri《見返り美人》 風属性/天使族 ☆3 800/1100
効果:このカードの反転召喚に成功した時、このカードのコントロールを相手に移すことで、相手の手札をランダムに一枚自分の手札に加えることができる。
【ファンブルさん(2か月ぶり2回目の受賞 05.7 05.10)】
 「見返り」という言葉には2つの意味があるのですが、それを1枚のカードでよく表せたなぁ、と感心してしまいました。また、カードの効果もそこまで壊れているだとか、そういうこともなくちょうど良い効果になっていると思います。(赤飯)
【ill. 卯双月さん】ある意味遊戯王らしくないのですが、センスの塊な造形! 特に天使族であることを、着物の後ろの柄に羽根を使うことによって表現するあたりは思わず唸った一枚です。
 花札や百人一首チックな和風テイスト。ほんと卯双月さんは何でもこなしてくれるなあ。

Aitsu 特別賞選定棄権

 今回のオリカは、テーマに沿おうと安直な方法で「日本」を演出しているカードがとても多かったです。例えば名前が全て漢字のカードや、
歴史上の出来事をそのまま名前にしたカードです。
 確かにお題に沿う事は大事ですが、逆にお題に捕らわれすぎるとカードの魅力が無くなってしまいます。
お題に捕らわれすぎず、お題をもっと捻くり回して遊んだカードが次回たくさん出る事を期待しています。(Aitsu)

【講評】
 予想通りというかなんというべきか、「スピリット」「漢字」「和風」の競争率が高く、正直『食傷気味』であったところがあります。だからこそ、一部を除き大抵の「ありがち」を除きました。
 そうして残った今回の10枚。お題が難しかっただけにかなり頑張っていると思います。ただし、嫌われることを承知で宣言するとAitsuとめたぽが「これは最優秀無しで優秀3作にするくらいじゃないと」と提案するくらいには悩。
 めたぽサイドの「めいきんぐ」は相当レベルが高いものを要求しています。だからこそ、「ここでトップを取れるくらいなら他サイトのオリカ企画は上位にタメを張れる力がある」というブランドに仕立て上げたいです。
 次回は初めての『複合御題』。ちょっとルールに変則感があるので、しっかり読んでから参加してくださいね。

11月/テーマ:希望・絶望

最優秀賞

0511_1_genesis《創世神話》 (通常魔法)
効果:自分の手札が二枚以下で、自分フィールド上に「荒野」が表側表示で存在しなければ発動できない。自分フィールド上の「荒野」を墓地に送り、自分の手札かデッキから天使族モンスターを一体特殊召喚し、自分のデッキからカードを手札が四枚になるようドローする。
【樹海さん(初受賞)】
 今回のストーリー性、世界創造という「希望」の象徴たるこのカードは外せなかった。異例とも言える「名指し」した効果での上位入賞だが、そのリスクを背負った上での効果の背景がステキすぎる。
 《荒野》からの天使による地上再生、名前ががっちりはまって離さないカードだ。発動の難しさと見返りの大きさ、効果のバランスも忘れちゃならない評価ポイント。
【ill. 薫さん】これは凄い……というか、どこまでも効果を体現しきった力作です(汗) ポイントが非常に多く、どこを採用するか悩まれたそうですが、 最終的には、荒野・天使・4枚の手札を採用、イメージは天使による地上再生だそうです。4つの光の玉が4枚の手札……深い、深すぎます。

優秀賞

《はないちもんめ》 (通常罠)
効果:互いの場に表向きモンスターカードが存在する相手ターンに発動することができる。互いに相手の場のモンスター1体を指定しジャンケンを行う。ジャンケンに勝ったプレイヤーは自分の指定したモンスターのコントロールを得ることが出来る。
【ビクターさん(初受賞)】
 「はないちもんめ」は実は非常に残酷な歌。効果自体は幼児がやっていたようなそれを連想させるが、このテーマでぶつけてきたのはもはやビクターさんの確信犯だろう。
 何も知らなければこのカードは非常に楽しげに見える、が実のところははないちもんめは「口減らし」の歌。希望に見えて、「絶望」だ。

0511_2_winter《冬将軍の到来》 (速攻魔法)
効果:このカードは相手ターンのメインフェイズ2からターン終了時までの間のみ発動出来る。自分の手札・デッキ・墓地・除外されているカードの中から「氷帝メビウス」を1体特殊召喚する。この召喚は、生け贄召喚としても扱う事が出来る。
【ウィングさん(初受賞)】
 こちらも異例の名指し入賞。Aitsuが非常に高評価をつけてここに入賞した。今回の受賞作の中でもバランスの練りこまれ具合はトップクラスで、悪用が出来ない仕上がり。
 一文目・二文目は既存カードでも見かけかねない普通の領域だが、最後の一文で斬新性を評価させる綺麗な仕上がりだ。
【ill. なつめさん】基調が《毒林檎》のようなアニメチックなイラストであるのに対し、今度は水彩画タッチでの作品です。 毎度ながら、絵師さんって何でそんなに器用なの……!(汗)
 名前からして描きにくい絵であるので(かなりカード名が抽象的)、冬っぽければなんでもいいですよと先出しフォローしていたので、 今回はその方向です。『氷の精霊』をイメージして描かれ、その色合いにかなり苦心されていたようです。あぁぁ、ごめんなさーい!

佳作

0511_3_hizasi《暖かな陽射し》 (永続魔法)
効果:反転召喚に成功した獣族・植物族モンスターの攻撃力はターン終了時まで800ポイントアップする。
【リバーさん(初受賞)】
 情景とイラストが容易に浮かび上がりそうなシンプル・イズ・ベスト。「ひざし」の感じに「陽射し」を選択しているのがほんわかした感じを出すし(※「日差し」がもう一つの選択肢)、チョイスした2種族がまさにどんぴしゃ。特に突出する点はないものの、安定した鉄板のネーミングと効果だ。
【ill. 卯双月さん】チョイスが渋く且つ的確。《唯一神の愛娘》でもわかる通りマスコットキャラクターのチョイスに定評のある卯双月さんですが、《ツクシー》《素早いモモンガ》《ダンディライオン》。ワイルド系種族2つの中からの発掘は素晴らしいです。
 何度も申し上げますが、卯双月さんは過去のカードを割と狙ってきてくださる方です。めいきんぐも当初は体制が薄く、入賞された方のイラスト化を今よりはしきれていなかったのでした。だからこそ、効果作成者の感激もひとしおだと思うのですよ。是非、これからも見させて頂きたいものです。

《嫌われ者》 (永続魔法)
効果:自分フィールド上にモンスターがプレイされたとき、そのモンスターのコントロールは相手に移る。
【冷釼.movさん(初受賞)】
 単純に「絶望」感だけをひねり出してはいるが、コンボがしかけられるなかなか夢のようなカードだ。既存カードで行くと《アメーバ》系、ドローゴー系デッキとの相性……と、ぜひとも実際に登場して欲しいベスト効果。
 夢を感じる効果はえてして上位に食い込むぞ。

《箱の中の猫》 (永続魔法)
効果:カードがセットされるたび、セットしたプレイヤーはコインを1枚投げる。裏がでた場合、そのカードを破壊する。
【みぞれさん(初受賞)】
 「シュレディンガーの猫」という概念を持ち出した、『希望と絶望双方』としてはかなりトリビアチックな……マニアックなお題を選んだカード。それを要約すると「箱の中の猫は生きているか死んでいるかわからない」というもの。50%で猫は生きているか死んでいるかどちらかだ、という概念をこう使ってきたのはまさに博識。
 セットされたカードを「猫」とし処理する様はまさにシュレディンガーそのもの。このカードの名前と効果がよくつながらない、わからない方は「シュレディンガーの猫」で検索してみよう。

特別賞

《苦しい時の紙だのみ》 (通常魔法)
効果:自分の墓地から攻撃力500以下の通常モンスター1体を特殊召喚する。
【ティーアさん(初受賞)】
 特別賞にはネタカードを選ぶ傾向が強いのですが、今回の中での洒落が効いたカードではこれが一番でした。ネーミングのインパクトは本家めいきんぐの《メイドの土産》レベルです。
 耳で聞いた際の強そうな感じと、字面で見たときの「えー」具合と、それを裏切らない効果のへたれさ。ハイセンスなカードです。(めたぽ)

《浮気性な美女》 闇属性/悪魔族 ☆4 2200/1500
効果:のカードのコントローラーは自分のエンドフェイズに任意の枚数の手札を捨て、捨てた枚数+1つ分このカードに「みつぎものカウンター」を乗せることができる。相手のスタンバイフェイズに「みつぎものカウンター」を1つ取り除く。
このカードに「みつぎものカウンター」が1つも乗ってない場合、相手スタンバイフェイズにこのカードのコントロールは相手に移る。
【ディロンさん(初受賞)】
 男が散々貢いだあとに、その女に捨てられ、他の男のもとにいってしまう。そんな情景を効果によってイメージさせられ、上手いなぁ、と感心しました。
 残念だった点は、カウンター名が「みつぎものカウンター」と、前回の「よいではないかカウンター」と少々被ってしまう点でしょう。実際会議中にもそこが少し引っかかっているような感じでした。(赤飯)

《わりとよく釣れる釣竿》 (永続魔法)
効果:1ターンに一度、手札を1枚捨てサイコロを振ることができる。出た目が1〜5の場合、デッキから出た目以下のレベルを持つ水属性モンスターを手札に加えることが出来る。出た目が6の場合、フィールド上に「長靴トークン」(獣族・地・星1攻守0)を表側攻撃表示でフィールド上に特殊召喚する。(「長靴トークン」は生贄にすることが出来ない)
【ラウーさん(初受賞)】
 テーマである希望と絶望が完璧に1枚のカードに織り込まれている、ハイセンスなカード。特別賞だけど暇な絵師さんは是非絵を描くべきです。ていうか描いてください。すげーみたいです。マジで。たのむ(Aitsu)

【講評】
 今回は正直テーマが難易度が高すぎました。反省しています。……自然と入賞候補も少なくなってしまい、今回は佳作は最低選出数となる3枚です。バランスは考えなければいけないな、と思いました。
 「パンドラの箱」というお約束の概念が異様に競争率が高く、この競争率の時点でまず切りました。「救世主(メシア)」もかなり多かった気がします。覚悟はしておいて頂きたいのですが、ネーミングの時点で3人以上が被りそうなほどメジャーな基盤タイトルはおそらく選考の時点で外されてると思っていいと思います。「ありがち」を嫌う審査グループですので、タイトルも独創的な部類を好んでいます。
 次回のお題は他サイトでありそうでなかったものです。思考に一部ロックがかかるものですので、「やりやすそう」と思う方と「やりにくい」と思う方にわかれそうです。いいものを仕上げてください!

12月/テーマ:実在カードと同名

最優秀賞

0512_1_tactics《華麗なる潜入工作員》 (永続罠)
効果:このカードは発動後モンスターカード(戦士族・地・星4・攻1300/守1200)となり、相手のモンスターカードゾーンに特殊召喚する。このカードのコントローラーは、自分のスタンバイフェイズごとに手札を公開する。このカードがモンスターカードゾーンに表側表示で存在する限り、お互いのプレイヤーは罠カードを発動することができない。
【ノンさん(初受賞)】
 まずは名前ありきな今回のテーマを活かしきった優秀カードとして高評価を獲得した、非常にステキなカード。「罠モンスター」という奇襲性あふれる能力で【華麗なる】を、罠を押さえ込むことで【潜入工作】感を上手く導き出している。
 しかし、それだけでは強力すぎるか?という裏側があったのか、しっかりデメリットも搭載と、練られた仕上がりになっている。罠モンスター+付随効果、というジャンルもなかなか無いだけに、とても斬新だ。
【ill. ふるめたさん】元ネタありの難題作をよくぞここまで!という感動の一言。本来の……実在ネタのカードがむさいむさいカードなだけに、 イメージがどうしても邪魔しそうですが、やっぱり若々しい方が見栄えありますよね(笑) それと、毎度ながらCGの使い方がすごい美しいです。

優秀賞

0512_2_raguna《神竜 ラグナロク》 光属性/ドラゴン族 ☆8 3500/3000
フレーバー:神の使いと言い伝えられている伝説の竜。その怒りに触れた時、世界は海に沈むと言われている。
【アイスさん(初受賞)】
 フレーバーはオリジナルそのまま、変わっているのはステータスだけ。工夫が足らないのではないか?と受け取られるかもしれないが、このカードは今回の投稿作でたった1枚しかやってない工夫を施している。それは「ノーマルモンスターのフレーバーをステータスに反映する」、という手法。
 オリジナルは1500と相当スカしている攻撃力だが、このフレーバーであれば本来はこれくらいのステータスが基本だろう。このカードの入賞はまさに作戦勝ち。
【ill. 卯双月さん】実在カードと同名の回はオファーさせていただいていた方々にとっても鬼門だったらしく、相当苦悩なされていたのです。それを3年来ながら取り組まれたことにまず、チャレンジ精神万歳です(笑)
 「『青眼の白龍』を超える攻撃力を持つ力強さ」「神の使いである神秘性」「暴走ではなく、理性による破壊を行う知的さ」の3点を表現されているということで、この表現なら実在カード側のチンケな攻撃力のイメージも完全に払拭される感じです。背景は「大地の崩壊」を示唆されていることで、黄色い表現が確かに恐怖を際立たせております。

0512_2_thirteen《13人目の埋葬者》 闇属性/アンデット族 ☆2 1300/1300
効果:自分の墓地にモンスターが12体存在する時、このモンスターを生け贄に捧げることで相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。
【響鬼さん(初受賞)】
 これはカードの選択が上手い。いじりがいがあるオリジナルの名前を考慮した上で、良質な効果をつけてくれている。自身を13人目の埋葬者にすることで、ちょっぴりハジけた効果を演出。と言っても、条件は相当難しいのでかなり「夢とロマン」系の効果になっている。
 見れば見るほどバランスが絶妙だ。
【ill. 五十嵐さん】実在カードと同名、という変り種なテーマで、イラストを描いていただく際にもどうしても元絵が頭にちらつきそうだなぁ…… 描きにくいんだろうなぁ……と、依頼する段階でものすごいやってしまった感が襲っていました;
 13をどう表現するか、骨とゾンビをどうするか、に苦心されたようです。グロ絵は五十嵐さんの守備範囲ではないですが、 それを依頼した理由は、五十嵐さんがこれならネタに走るよ!と公言してたからです。最終的にネタでなくアレンジ方面なので、 結構やっぱり苦しんでいたみたいですね。構図は《硫酸のたまった落とし穴》からとのこと。前回今回ともに、アレンジに味がある一品です。

佳作

0512_3_lighten《軽量化》 (永続魔法)
効果:お互いの手札にある全てのモンスターカードのレベルは4になる。
【Backspaceさん(初受賞)】
 名前からの素直な昇華で強力すぎるように見えなくも無いが、バランスはかなり及第点を行っている。このカードに期待をかけすぎるとオリジナルの《軽量化》と同じ末路をたどりそうで微笑ましいし、実は働きは《強奪》らの方が上だったりする。
 しかし、《混沌の黒魔術師》らと組み合わせたい……というコンボ魂を存分に刺激してくれる優良な効果だ。
【ill. ギカラシさん】シュールレアリズムの境地すぎる。もはや遊戯王どころか、カードゲームどころか、コナミの商品ですらない。現在の10代後半から20代前半ホイホイな絵じゃないでしょうか。なつかしーですね、フルカウルのミニ四駆。マグナムトルネード!って奴です。 でも、こうやって窓を軽量化したあとにメッシュを貼ったらあれですよね。無駄なんですよね……。

《悪夢の蜃気楼》 (フィールド魔法)
効果:フィールド上に存在するモンスターは魔法・罠・効果の対象にならない。
【みぞれさん(2か月連続2回目の受賞) 05.11 05.12】
 蜃気楼という言葉を上手く活用し、あらゆるエフェクトを撹乱する……という演出。オリジナルがこの効果じゃないか?と思うくらいの自然な仕上がり。しかし、《地砕き》等意外とスルーされるカードも多く、そこらあたりが蜃気楼と兼ねあっている微笑ましさも感じる。
 「フィールド魔法」にしたのが加点にとどめ。まさにそれ!

《ヤランゾ》 (永続魔法)
効果:このカードがフィールド上に存在する限り、相手のフィールド上に存在するモンスターのコントロールは、元々の持ち主に戻る。相手が「手札を1枚捨てる効果」を持つカードを発動したとき、このカードを墓地に送る事でその発動を無効にし破壊する。
【黒蠍・影の首領さん(初受賞)】
 あぁなるほど、「おまえなんかにはやらんぞ」と「手札を捨ててやらんぞ」というかけ合わせ。一瞬で納得してスルーしようとも思ったが、実は「やる」と「捨ててやる」の『やる』は動詞と助動詞で使い道が違う。要するに一つの名前から頑張って二つの意味を導き出して洒落に収めているということ。
 地味なところで頑張ってる感がにじみ出ているが、洒落カードは基本的に佳作以上は期待できないだろう……。

《バベル・タワー》 地属性/岩石族 ☆4 0/?
効果:このカードの守備力は自分のデッキの枚数×100ポイントとなる。
【MEGALITHさん(4か月ぶり2回目の受賞) 05.7 05.12】
 基本守備力は3400。カウンターダメージを考えたら化け物だろ?と感じるかもしれないが、カウンターダメージ2倍の《アステカの石像》の存在を考えたらこの数字は妥当。むしろ「岩石」らしさを出すにはこれくらいのモンスターが必要じゃないか?と感じた。
 序盤の強力さは後半の弱体化でバランスを取っているし、デッキの高さをそのまま「モンスター」と見ることが出来るのは面白い。

《陽気な葬儀屋》 闇属性/悪魔族 ☆7 2400/1700
効果:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分ターンのスタンバイフェイズ時、自分は好きなだけ自分の手札からカードを墓地に送ることができる。
【リューさん(初受賞)】
 オリジナルの効果を活かしつつモンスター化、この名前に闇属性悪魔族という設定を付けるだけで、容易に絵が浮かんでくること、バランスはかなり大味だが面白い。
 きっとこのカードの絵を思い浮かべろ、と言われたら真っ先に《デビル・コメディアン》が思い浮かんだのでは?

特別賞

《13人目の埋葬者》 (通常魔法)
効果:このカードは自分の墓地にモンスターカードが13枚以上存在しなければ発動できない。自分の墓地の下から13番目のモンスターカードを自分フィールド上に特殊召喚する。
【ファンブルさん(2か月ぶり3回目の受賞) 05.7 05.10 05.12】
 投稿作で《13人目の埋葬者》は2枚あったのですが、2枚目も面白いカードであったので特別賞です。
まさに《13人目の埋葬者》っぽくて効果は面白いのですが、テキストに思い違いがあります。
「自分の墓地の下から13番目」というテキスト、狙って記述したのかもしれないですが、このせいで一気に13人目感が薄れました。ここが「上から」だったら、もしかしたら優秀賞にダブルインパクトが起きてたかもしれませんね。ただ、効果としての斬新さは買ってます。
 なので、特別賞!(めたぽ)

《地獄の裁判》 (カウンター罠)
効果:自分フィールド上に表側表示の悪魔族が存在する時に発動できる。800ライフポイントを払う。相手の魔法・罠の発動を無効にし破壊する。相手は1000ライフポイントを払うことで、このカードの効果を無効にする事ができる。
【夢前案内人さん(初受賞)】
 「裁判」というものを上手く表現できています。特に、最後の行の相手も1000ライフポイント払うことで無効にできるという部分。ここがすごい面白いと感じました。なんというか金の力で裁判に勝っちゃう、みたいなですね。
 バランス的にも問題なし。良作じゃないでしょうか。(赤飯)

【講評】
 今回のテーマは作りやすさがやはりあったらしく、最高参加者数となる210名弱の参加をいただきました。総勢630にものぼる作品の中から選び出した数枚ですが、名前から作り出した設定がまざまざと伝わる作品は強いです。最優秀・優秀賞はまさにそれでしょう。
 今回は想像以上にモンスターが奮起した形となり、ようやく審査員のツボがつかまれてきたかな?という感じもしています。
といっても、モンスターでの入賞はいまだに若干狭き門です、その分攻めて来る人も少ないので狙いやすいといえば狙いやすい……その傾向はまだ変わっていません。
 次回は原点回帰、「フリー」です。言い訳できないノンジャンル、実力の差が顕著に出ますよ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加